野球ライターで野球史研究家・野球統計の専門家でもある
ビル・ジェームズによって1970年代に提唱された
野球の統計学!
それが
■「セイバーメトリクス」
アメリカ野球学会の略称
SABR (Society for American Baseball Research) と
測定基準 (metrics) を組み合わせた造語だそうです。
私が以前、グラブの本を書いたときも
「SABRに入会したら」とアメリカでお誘いを受けました。
来年あたりに入会する予定です!
それはさておき
ジャームズは、食品工場の警備をしながら
得意の経済学と統計学で
その頃に沸騰してきたメジャー選手の年俸とその活躍度の
費用対効果があっているのか?などを独自の方法で研究して
そのデーターを小冊子「野球抄」にして新聞広告で販売しました。
素晴らしい!
最初は70部、2作目は250部と徐々に部数が伸びて
熱狂的なファンも出てきました。
野球には、様々な価値基準・指標がありますが
セイバーメトリクスではこれらの重要性を数値から客観的に分析
それによって野球における
采配に統計学的根拠を与えようとしました。
例えば、投手の場合普通、
10勝5敗3セーブ・防御率2.15などという
よく新聞に載っている数字で評価されます。
しかし、これだけでは本当の実力は分かりません。
■「QS(クオリティスタート)」
QSは、先発投手が、6回以上投げて自責点3以内に
抑えれば指標で記録されるようになりました
(なお、7回以降に4自責点を取られたら無効)
もし、あるゲームで、先発投手が9回まで投げきって自責点1でも
味方の援護がなく1-0で負けたこの1敗は、負けという評価です。
しかし、
5回までに5点取られてもその間に味方の援護が6点以上あれば、
これで勝ち投手の権利が出ます。
前者は、QSを記録しながら敗戦投手になることを
タフ・ロス(不運な敗戦)といい
逆に、後者は、QSの条件を満たさずに先発勝利を挙げるので
チープ・ウィン(安っぽい勝利)というそうです。さすがアメリカ
白黒はっきりさせる国!
セイバー大国のメジャーは、
勝敗よりこのQSレートを重視します。
例えば、田中将大投手は、
楽天時代の2012年からヤンキースに移籍した2014年まで
50試合連続QSという世界記録を持っています。
これが彼のメジャーのゆるぎない評価なのです!
しかし、今年少し球威が落ちています。
さらなるスピンレート向上に私のグラブを活用して頂きたいです!