こんにちは。
BBブリッジの番場です。
現在、遺伝子医薬品と細胞医薬品の研究開発をテーマとした技術レポートの作成を進めております。
バイオ医薬品の研究開発が注目される創薬において、遺伝子医薬品と細胞医薬品は注目を集めており、今後もさらに注目されることになると思います。
それぞれの概要や現状について、以下に簡単に記載します。
・遺伝子医薬品
ウイルスなどベクターを用いて治療に関連するタンパクなどを、遺伝子情報として生体(vivo)に投与する。もしくは生体から取り出した細胞に投与し(ex vivo)、それを生体に戻す。
2010年ごろまではレトロウイルスやアデノウイルスをベクターに使うことが主流でしたが、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)の開発が進み、標的組織によってAAVの血清型を使い分けるなども行われるようになり、開発が一気に進展しました。そして2012年にはオランダのベンチャーuniQureが開発した遺伝子医薬品「Glybera®:リポ蛋白質リパーゼ欠損症治療薬」がEMA(欧州医薬品庁)に承認されました(但し今のところ未発売)。これは欧米の規制当局から遺伝子医薬品が世界で初めての承認を得たケースです。
・細胞医薬品
患者の生体内の特定の細胞(骨髄由来幹細胞)や健常者ドナーから採取した細胞を用い、これになんらかの処理を加えて機能を付与し、それを生体に戻すことで疾患を治療する。iPSなど幹細胞研究の進展によって開発が急スピードで進んでいます。2010年には患者の樹状細胞を用いた「Provenge:前立腺がん再発予防薬」が米国FDAに承認されました。細胞への処理について、化学物質などを使う場合もありますが、遺伝子導入することも増加しています。
上記の通り、遺伝子医薬品と細胞医薬品は関係性が深く、海外の学会ではこの2つが一緒になっており、幅広い領域の研究者が集まってコミュニティを形成しています。
米国:The American Society of Gene and Cell Therapy
欧州:The European Society of Gene and Cell Therapy
さらにiPSを中心とした万能細胞を用いた再生医療の研究も進展し、遺伝子医薬品・細胞医薬品と再生医療も密接に関係しています。遺伝性疾患や運動ニューロン疾患など従来の薬ではほとんど効果が得られない疾患に対し、遺伝子医薬品や細胞医薬品は根本治療薬になる可能性を秘めており、医薬品や医療機器業界から大きく注目されています。
次回は遺伝子医薬品や細胞医薬品について、具体的な研究開発動向について記載したいと思います。
当社作成のレポートの詳細についてご興味がある方は以下をご参照ください。
「世界の遺伝子医薬品開発の現状と将来展望」
http://www.bb-bridge.co.jp/reports/133/
「世界の細胞医薬品開発の現状と将来展望」