BBブリッジ公式ブログ クワトロB(BB-Bridge Blog)

BBブリッジ公式ブログ クワトロB(BB-Bridge Blog)

ライフサイエンス・メディカル分野の研究開発動向などの情報を発信しています。本ブログへのリンクは大歓迎です。ブログ内容や写真のすべてまたは一部の引用は事前にご連絡をお願いします。

Amebaでブログを始めよう!

BBブリッジの番場です。

 

 先週、ついに糖尿病を対象とした経口投与のペプチド医薬品が承認されました。これはNovo Nordiskによって開発されたGLP-1作動薬semaglutide(製品名:Ozempic)の経口投与製剤Rybelsus(開発記号:NN9924)です。
 GLP-1作動薬は糖尿病の治療薬として非常に重要ですが、週1回の皮下注射が必要で患者への負担がありました。Novo Nordiskでは経口投与を実現するために、米国Emisphere Technologies社と提携、同社のペプチド経口投与技術「Eligen Technology」を利用することで、GLP-1作動薬の経口投与を開発しています。NN9924は2019年3月に米国FDAに承認申請(優先審査)が、同4月には欧州EMAに承認申請が行われており、2019年9月に米国FDAに承認されました。

 糖尿病を対象としたペプチド医薬品市場は非常に大きく、例えばGLP-1作動薬の世界市場は2016年度で50億米ドルを超えています。経口投与製剤の登場は、ペプチド医薬品市場に大きなインパクトを与えることが予想されます。

 一方、経口投与製剤には課題もあります。経口投与製剤は消化管から吸収されるため、食事の影響を受けやすく、服用時間の厳密な制限などが課されることも多い状況です。

 しかしながら自己注射から解放される患者さんのメリットは非常に大きいと考えられます。上記以外にもバイオ医薬品の経口投与製剤など様々な技術開発が進められています。医薬品の開発競争が激化する中で、製剤技術や投与デバイスで付加価値を向上させる動きは、今後、さらに活発になると思われ
ます。

 

 BBブリッジでは既存医薬品に新たな価値を付けるための戦略として、次世代製剤技術・投与デバイスの最新開発動向やビジネス展望、世界の開発企業各社の動向などをまとたレポートを作成しています。ご興味がございましたら下記をご覧ください。

 

【技術・市場調査レポート】
 次世代製剤技術・投与デバイスを活用した医薬品開発の将来展望