おはようございます。
BBブリッジの番場です。
明日、改正薬事法および再生医療等安全性確保法が施行されます。この2つの法律はバイオ医薬品など先端医薬品の開発・販売に大きな影響を及ぼすことは間違いありません。
まず、改正薬事法のポイントは主に以下の2つです。
(1)従来の「医薬品」「医療機器」の2つのカテゴリーに加え、新しい製品カテゴリーである「再生医療等製品」を追加する。
(2)再生医療等製品の一部に対する新しい承認審査制度である「条件・期限付製造販売承認(安全性確認&有効性推定)」を追加する。
「条件・期限付き製造販売承認」について、小規模の症例で有効性を推定し、安全性については急性期の評価を中心に行うことで短期間で開発品の評価が可能になります。開発側は上記のデータで条件・期限付製造販売承認を取得し、患者にリスクの説明や安全性の対策を行ったうえで製品を販売することができます。この市販期間中(原則7年間)に更なる有効性/安全性を検証し、期限内に再度承認申請を行うことになります。
さらに中央社会保険医療協議会は2014年11月5日の総会で、再生医療等製品について、「条件・期限付き製造販売承認」の段階でも保険適用することを了承していることも大きな追い風になると思います。
次に再生医療等安全性確保法について、こちらの法律制定の背景から概説します。現在、がん治療を中心に免疫細胞療法や幹細胞療法など細胞を用いた治療が自由診療として医師法に基づいて行われています。これらの治療が効果や副作用がどの程度あるのか国として把握できていませんでした。さらにiPSなど再生医療技術の進展により、今後このような医療行為はさらに増加すると考えられます。
自由診療でも細胞を使うようなリスクの高い医療の安全性を確保するために制定されたのが再生医療等安全性確保法です。本法律によって医療機関が再生医療等(免疫細胞療法などのこと)を提供しようとする場合には厚生労働大臣への提供計画の提出が義務付けられます。提供計画を提出せずに再生医療等を提供した場合は、罰則(罰金または懲役)が適用されます。
一方、医療機関は許可を得た民間企業の工場等に細胞加工を外部委託するが可能になります。
再生医療等安全性確保法(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000030847.pdf
「条件・期限付き製造販売承認」が実際にどのような基準で運用されるのかにもよりますが、少なくとも開発企業側にとっては大きなメリットになるのではないでしょうか。
今まで国の担当者は「日本の医薬品開発に関する制度は柔軟性がない」、「新薬の承認が遅い」と突き上げられていました。この法律改正および新法は日本の医薬品開発における課題の解決に向けて大きく前進させるもので、法案の作成に携わった厚生労働省および経済産業省の方々に感謝を表したいと思います。
再生医療等安全性確保法については、厚生労働省にとっても今まで現状が把握できなかった医療機関で自由診療として行われている細胞療法に規制をかけることに成功しました。換言すれば医師法に基づいて医療機関独自に行っている細胞療法に再生医療等安全性確保法というくさびを打ち込んだことになります。
この法律よって厚労省は民間の細胞療法に関する実施情報や副作用情報などを集めることができるため、細胞療法の現状把握やより適切な規制の策定などを行うことができます。
今後、上記の法律が実際に開発や製品展開をどのような影響を与えるか、しっかりとフォローしていきたいと思います。
BBブリッジでは改正薬事法によって開発が促進されると期待される遺伝子医薬品
細胞医薬品について、開発動向やビジネス展望をまとめたレポートを発刊しました。
ご興味のある方は以下をご参照ください。
【プレスリリース】
遺伝子医薬品・細胞医薬品の開発動向と市場展望に関する調査結果を発表
http://www.bb-bridge.co.jp/news/361/
【技術・市場調査レポート】
世界の遺伝子医薬品開発の現状と将来展望
http://www.bb-bridge.co.jp/reports/133/
世界の細胞医薬品開発の現状と将来展望
http://www.bb-bridge.co.jp/reports/206/