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BBブリッジ公式ブログ クワトロB(BB-Bridge Blog)

ライフサイエンス・メディカル分野の研究開発動向などの情報を発信しています。本ブログへのリンクは大歓迎です。ブログ内容や写真のすべてまたは一部の引用は事前にご連絡をお願いします。

おはようございます。
BBブリッジの番場です。


昨年イスラエルを訪問する機会がありましたので、今回はイスラエルのライフサイエンス産業の動向について記載したいと思います。

イスラエルというと紛争・宗教というイメージがありますが、実はライフサイエンス産業や医薬品開発・創薬、特にベンチャー企業による研究開発が非常に盛んな国でもあります。
イスラエルは人口800万人強の小さな国ですが、技術開発に積極的に投資しており、国民一人あたりの特許保有数や博士号保有者数、GDPに占める研究開発投資額などは世界トップクラスです。特に産業として強い分野はIT、農業、防衛、そしてライフサイエンスの4つであり、いずれも国民が安全かつ安定的に暮らすために必要なもの・技術に直結しています。


イスラエルのライフサイエンス分野において特に有名なのはジェネリック医薬品で世界No.1企業であるTeva、世界で初めてカプセル内視鏡を実用化したGiven Imaging(2014年に医療機器メーカーCovidienに8億6,000万米ドルで買収される)ですが、それ以外にも数多くのベンチャー企業があります。正確な数値は把握しておりませんが、医薬品や医療機器分野の研究開発を進めるベンチャーの数は数百社以上あると思います。


イスラエルでなぜライフサイエンス分野の研究開発・事業化が盛んであるかを考えると、以下の要素・要因があるからであると思います。


1.教育水準が非常に高い
イスラエルのライフサイエンス分野における研究機関の中心はヘブライ大学(Jerusalem)とイスラエル工科大学(通称テクニオン、Haifa)です。両大学とも医学部を含む総合大学で、大学ランキングでも世界のトップクラスに位置づけられています。ヘブライ大学の設立にはアインシュタインやフロイトが関わっており、1918年の設立ながら多数のノーベル賞受賞者を輩出しています。


2.起業・ベンチャー設立に対する意識が非常に高い
イスラエルは周りの中東諸国とは異なり石油資源はほとんどなく、かつ土地も肥沃とは程遠く、さらに周辺国とは絶えず紛争を抱えています。このような状況があるため、技術開発を通じて起業・事業を創出することで国を維持・発展させるという考え方があります。例えば農業では灌漑などにハイテク技術を活用した結果、食糧自給率は93%と非常に高いです(出典:駐日イスラエル大使館)。さらに人口が少ないため自国内に大きな市場がなく、最初から市場獲得のために海外展開を視野に行動していることも特徴です。ライフサイエンス分野は付加価値の高い知識集約型の産業であるため、イスラエルにとって重要な領域になっています。


3. 起業の出口であるIPOの出口が明確に用意されている
ライフサイエンス分野では起業後に研究開発を促進させるためには多額の資金が必要になるためIPO(株式公開)することが一般的です。イスラエルのベンチャーの多くは米国で上場しています。これは米国がユダヤ人に対して寛容であることと、ライフサイエンスの世界最大市場である米国に進出できることが要因していると思います。イスラエルのベンチャーはまずは自国内で起業・事業化を進め、ある程度事業が進めば米国に支社を設立、その後NasdaqなどにIPOするという流れができています。



このようにライフサイエンス系の研究開発や起業・事業化を積極的に進めているイスラエルですが、次回のブログではライフサイエンス分野において興味深いベンチャー企業をいくつか紹介します。