おはようございます。
BBブリッジの番場です。
先週、ドイツ デュッセルドルフで開催されたバイオ医薬品製造に関するビジネスカンファレンスに参加してきましたので、その内容について記載したいと思います。ドイツにはMerck MilliporeやSartorius Stedim Biotechなどバイオ医薬品製造関連製品の大手企業、Boehringer IngelheimやSandozに代表される大手バイオ医薬品CMO(受託製造企業)など多数の企業が積極的に活動しています。
バイオ医薬品の製造技術・ビジネスはバイオ医薬品の成長に伴って非常に注目されておりますが、関連した学会はなく、今回は民間企業主催のビジネスカンファレンスに参加しました。ビジネスカンファレンスのため参加費もかなり高額ですが、世界から500名以上・出展ブースも100近くとかなりの盛り上がりでした。日本からは味の素、旭化成メディカル、カネカ、JSRライフサイエンス、東ソーの5社が展示ブースを出していました。夜には会場の中心でポーカーやルーレットなどのカジノゲームが行われ、時間内で最も多く得点を得た人が商品を貰えるなどのイベントも開催され、終始賑やかなカンファレンスでした。
もう1つの注目は連続(潅流)培養技術です。連続培養は従来のようなバッチ培養・フェドバッチ培養と異なり、培地を持続的に加えることでリアクター内で一定期間連続して培養し続けるというものです。連続培養のメリットは培養時間当たりの生産性の向上であり、小さなリアクターでも多量のバイオ医薬品の製造が可能になります。
連続培養にはいくつかの方式がありますが、最も利用されているのは米国Refine Technologyによって開発されたATF(Alternating Tangential Flow)システムです。ATFシステムは外部フィルターを用いた方式であり、市販されている多くのシングルユースリアクターやステンレスリアクターに接続して利用できることが特徴です。なお、Refine TechnologyのATFシステム事業は2014年にバイオ医薬品製造製品大手のRepligenによって買収されています。
私自身、連続培養は研究開発段階で実際のバイオ医薬品の製品製造には利用されていないものと思っていましたが、実際にカンファレンスで関係者に話を聞いてみると、既に某大手製薬企業の2製品(抗体医薬)の製造にはATFシステムが利用されているとのことでした。当該2製品はブロックバスターにもかかわらず非常に小さなサイズのリアクターを複数利用して製造されています。
製造期間を短縮できるシングルユース製品と生産性を向上できる連続培養技術は非常に相性が良いため、今後、この2つを組み合わせたバイオ医薬品の生産技術が広く普及する可能性があります。製薬企業にとって開発・市場競争が激化し市場予測が難しくなっている抗体の製造において、柔軟性が高いシングルユースシステムの導入は大きなメリットがあります。
カンファレンスが行われたデュッセルドルフはライン川沿いに位置する落ち着いた中規模都市で、ドイツ内での日本企業の進出も特に多いです。今回は観光する時間はありませんでしたが、中心部の繁華街にはオープンテラスの飲食店が100店以上軒を連ね、その光景から「世界一長いバーカウンター」とも呼ばれています。デュッセルドルフに訪れた際には是非お立ち寄りください。
BBブリッジではバイオ医薬品の製造技術について、シングルユースや連続培養など最新の技術動向やビジネス展望をまとめたレポートを作成(2015年4月30日発刊)しています。ご興味のある方は以下をご参照ください。
【技術・市場調査レポート】



