ケンブリッジ大学数学部受験 6(かなり数学部入試の細かな話です。) | モントキアラ便利帳

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オックスブリッジの数学部は入学選考にあたって独自のテストがあります。


オックスフォードはMATというテスト。範囲はY12までの数学。(Further Mathは入りません。)Y12の範囲までなので、Y13の一学期にテストとなります。形式は100点のうち、半分くらいがマークシート、残りが記述式。試験時間は2時間。100点のうち80点くらい取るとインタビューに呼ばれ、90点くらい取るとほぼ確実に入学できると言われています。


ケンブリッジはSTEPというテスト。STEPは1から3まであり、STEP1と2の範囲はY12まで。STEP3はY13までの数学。STEP3はY13の終わりまでが範囲であるため、Y13の終わり、つまりはAレベルの試験と同じタイミングでY13の第三学期6月に行われます。どのSTEPも120点満点で6問全部が記述式。試験時間は3時間。得点はグレードS 90−120点くらい。グレード1 80−90くらい。グレード2 80点以下に分けられて、ケンブリッジのオファーには通常STEP2と3の両方がグレード1であることが要求されています。STEPの要求がかなり厳しいのに、Aレベルの要求はA*、A*、Aなんです。オックスブリッジが如何に独自のテストを重視し、Aレベルは足切り程度にしか考えていないのか分かります。


息子はY13の夏休みからSTEPを勉強していて、MATも実際受けてみました。比較するとMATの方は2、3年過去問をやってみて90点は普通に取れているようでした。そして、Aレベルの数学とは全然難易度が違うけれど、全体的に素直な問題が多いから、イギリスの数学コンペティションであるUKMTで最終段階BMO2まで残っているような人なら問題なく解けるレベルだと。


それに比べて、STEPは1であれば、MATと同じような水準だけれど、2になると幾つもの分野を複雑に組み合わせているので、Aレベルの内容を本当に理解しているのかを常に問われている感じ。自分で消化していない分野が問題を解くことによって炙り出されてくる。すごく難しい問題が多い。毎年難しくなっていて、2000年と2023年では天と地の差があるそうです。


ちなみにMATもSTEPも一般に公開されていて、オックスブリッジ受験者だけでなく、他の大学を受ける学生もテストに参加しています。それは、このテストをオファーの一部にしたり、グレード2を取るとAレベルの結果の要求が低くなるー例えばウオーリック大学の数学部はA*, A*, A*を要求していますが、STEP2でグレード2を取るとA*,A*,AというようにAが一つあっても合格することができます。