小泉和裕 新日本フィル ベートーヴェン&チャイコフスキー(5月19日・サントリーホール) | ベイのコンサート日記

ベイのコンサート日記

音楽評論家、長谷川京介のブログです。クラシックのコンサートやオペラなどの感想をつづっています。



小泉和裕は自著「邂逅の紡ぐハーモニー」(2021年)の中で、「オーケストラと向き合うたびに、お互いどれだけ成長したか厳しく見極めてきたが、近年はその緊張感すら超えて気持が随分楽になってきた気がする。オーケストラとの関係が、また新たな段階に来たのかもしれない」と書いているが、最近の小泉の指揮は融通無碍(ゆうずうむげ)であり、オーケストラとの接し方に余裕があり懐が深くなってきた。
細かくチェックするのではなく、のびのびとオーケストラを演奏させているように見える。

 

今日も14-12-10-9-7という編成の新日本フィルを相手に、巨匠的で雄大な演奏を聴かせてくれた。

 

古典派ではなくロマン派の作品の様にも聞こえる重厚なベートーヴェン「交響曲第8番」。
チャイコフスキー「交響曲第4番」はザルツブルク音楽祭でのウィーン・フィル・デビューで指揮した思い出の曲でもあり、金管を勇壮に鳴らす骨太の演奏だった。
客演首席で入った札響首席の山田圭祐のホルンが素晴らしかった。

 

終演後第1ヴァイオリン・フォアシュピーラーの堀内麻貴さんが退団されるので、マエストロから花束の贈呈があった。

 

詳しくは「音楽の友」コンサート・レヴューに書きます。