尾高忠明指揮都響、ルイージ指揮N響のはしご(5月11日・東京芸術劇場→NHKホール) | ベイのコンサート日記

ベイのコンサート日記

音楽評論家、長谷川京介のブログです。クラシックのコンサートやオペラなどの感想をつづっています。

明日の毎日クラシックナビ、速リポ(ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団@サントリーホール)の準備のため、今日の2つのコンサートについては、改めてブログに書きますが、
取り急ぎ速ブロを。

 

尾高忠明指揮都響、アンヌ・ケフェレック(@東京芸術劇場)

ピアノのマリアム・バタシヴィリ急病のため、急遽ケフェレックがモーツァルト「ピアノ協奏曲第20番」を弾いた。リハーサル時間が少なかったのか、いささか荒っぽいがそれがかえって、即興的で良かった。

尾高忠明のウォルトン「交響曲第1番」は手の内に入った名演。都響の力強さが生きていた。ただしつこいばかりの繰り返しや終わりそうで終わらないウォルトンの曲は、こってりとした内臓料理を食べ過ぎたような、お腹にもたれる印象。他に武満徹「3つの映画音楽」から2曲。

©都響

 

タイ・フェスティバルでごったがえす代々木公園では、N響の職員が観客を屋台が並ぶ通りの裏道へ誘導、おかげで混雑をある程度避けられた。帰りもNHKホール横の通路を開放していた。

 

ルイージN響のレスピーギ「ローマ三部作」は会心の演奏。ルイージの本領発揮。ルイージN響の演奏はこれまでどれも悪くはないがもうひとつ突き抜けたものがなかったが、今日は別格。
名人ぞろいのN響の力が最大限に発揮され、「ローマの祭り」最後の<主顕祭(しゅけんさい)>もまったく破綻することなく、狂喜乱舞の祭りの絶頂をまばゆい色彩と共に爆発的に描きつくし、NHKホールを歓喜のブラヴォで埋め尽くした。