【インバル/都響第3次マーラー・シリーズ①】
エリアフ・インバル指揮 東京都交響楽団
マーラー:交響曲第10番 嬰へ長調(デリック・クック補筆版)
2014年7月20日に聴いた同じ曲目のコンサート。
10年前の感動は、しかし今日は感じられなかった。
インバル 都響 マーラー:交響曲第10番 | ベイのコンサート日記 (ameblo.jp)
都響の演奏は、2月17日に聴いたショスタコーヴィチの交響曲第9番と変わらず、完璧であり、集中度は破格のものだった。
にもかかわらず、今日のマーラーはショスタコーヴィチほどの衝撃がなかった。心に響かなかった。
インバルのアプローチが絶対音楽的なためだろうか。フレーズや音に情感があまりこめられていない。情動が少ないように思える。
マーラーは、やはり物語が必要なのかもしれない。あるいは感情の変化があるべきなのかもしれない。
これだけの演奏を聴かせてもらいながら、その中に入っていけないもどかしさ。
自分の聴き方が間違っているのか。文字通り、道に迷った時のような焦る気持ちで、理解しようとがんばってみたが、ついに入口が見つからないまま最後まできてしまった。
写真©都響