学生時代、漫画「味いちもんめ」を買っていました。
主人公の伊橋君を始めとする、修行中の若い料理人さんの奮闘ぶりと、
それを取り巻く、中年や年配の人々の「年の功」が心にしみる作品です。
タロットの14番「節制」のカードも、そんな味わいがあります。
タロット前半のカードは、自分のやりたいようにやり、一生懸命に理想の人生を立てていきます。
ところが、ある地点まできて、それがダメになる経験をしたとき・・・
そこから初めて、その人とその体験がミックスし始めます。
そしてその先にある、19番「太陽」へと向かって行くことになるのです。
「味いちもんめ」には、そんな「節制」のカードみたいなセリフが出てきます。
割烹「藤村」の親父さんは伊橋君たちに言います。
「そやけど、味ちゅうもんが、
うまい、まずい、甘い、辛いで
終いやと思とったらあかんで。
寂しい味、哀しい味・・・・
いろいろあるんや、味ちゅうもんは。」(原作:あべ善太、作画:倉田よしみ『味いちもんめ』1巻 第5話「名残茄子」より)
料理の味に、食べた人の人生経験が加わって、何とも言えない味わいになる・・・。
いろんな経験したからこそ分かる味が、世の中にはあります。
タロットも似てるところがあります。
カードの世界観と、質問者の経験が合わさったとき、
そこに質問者自身から自然に湧いてくる答えがあります。
14番「節制」は、子供舌では味わえません。
私のタロットの先生(愛月先生)もよく、
「いい、悪い、当たる当たらないで終わりだと思ってはいけない。」
と言っていました。
男性性の強いタイプの人は、頭がいいし、
すぐに行動して結果を出すのがいいと考えます。
うじうじするな、行動が遅い、こうすればこうなる、悩んでたって仕方がない。
確かにごもっともなのです!
でも時として・・・
なんだか、「簡単な味しか分からない小さな子」みたいに感じることがあるのは私だけでしょうか??
ある程度年齢を重ねた人が、
カレー、お寿司、ハンバーガー、ラーメン、すき焼き、スパゲッティ、美味しい!
ゴーヤは苦い、ねぎは辛い、梅干しは酸っぱいからまずい!
って言ったとしたら、申し訳ないけど、ちょっと引きます(笑)
だから、なんだかうまくいかなくて悩んでいるあなた、最近イケてないあなたに「節制」が出たら、こう言いたい。
しょっぱい、渋い、ほろ苦い体験かもしれない・・・。
でも、大丈夫。
そういう微妙なところを理解できる人の方がきっと、
人生は幸せになりやすいんです。
私が大人になって特に好きになったのは・・・ひじきの煮物です。