[ 内容 ]
裏切り談合知事は逮捕、談合排除知事は落選。
“政官業学報”の現状追認、ペンタゴンに抗い既得権の利権ピラミッドをぶち壊し続けた「脱・談合知事」田中康夫。
チームニッポン特命取材班が談合のカラクリを徹底解明。
[ 目次 ]
第1章 談合する側の「論理」
第2章 談合がなくならない「これだけの理由」
第3章 「脱・談合」田中県政とは何だったのか?
第4章 田中県政「入札改革」の真髄
第5章 談合社会のなれの果て-財政再建団体・夕張市ルポ
最終章 田中康夫「特別寄稿」脱・談合ニッポン実現のために
付録 全国47都道府県知事最新プロフィール
[ 問題提起 ]
自画自賛と感じられるところも多々あるが、やはり長野県の入札改革は、田中康夫知事でなくてはできなかったことだろうと思わされた。
泰阜村の松島村長のインタビューや、市民オンブズマンの松葉氏のインタビュー記事は読み応えがあった。
本書前半は、それらを含みつつ、なぜ全国でいわゆる官製談合が延々と行なわれ、なくならないのかという仕組みが明確に示される。
本当にどこでもそうなのかは裏を取ってみないとわからないが、公共事業入札の現状と問題点がよく分かる。
[ 結論 ]
この問題に関心があれば一読すべきであろう。
脱談合でも落札率は低すぎると採算割れを起こすはずなので、適正水準の80%前後にもっていくことが目標という話は当然だろう。
見た目が一般競争入札であっても隠れ談合になっているケースが多いというのは心しておくべきだろう。
なお、本書後半には田中氏らが夕張市を訪問してのルポがあるのだが、読めば読むほど、夕張市の状況は気の毒すぎると思った。
市だけに責任をかぶせていいのか。
[ コメント ]
ましてや住民の責任をどこまで問えるのか。
考えさせられた。
[ 読了した日 ]
2010年2月12日