[ 内容 ]
欧州復興開発銀行。それは東欧やソ連の市場経済移行を援助する目的で設立された。
その融資条件のひとつでもあった人権尊重。
著者は初代総裁の顧問として融資対象国の人権問題調査にあたる。
市場経済への移行過程で見えてきたものは?
東欧で、ロシアで、中央アジアで、冷戦後の新秩序をかけて熾烈な交渉が始まった。
その手段でもあった人権の意外な意味。
その根底にあるものはなにか?
人権をめぐる国際交渉の伝統をさぐる。
[ 目次 ]
第1章 欧州開銀設立(東西ヨーロッパの出会うロンドン 市場経済への移行の政治的側面)
第2章 秩序としての人権
第3章 民族、市民、人権(ことの発端 二つの大戦後の解決方法 市民権問題のゆくえ)
第4章 中央アジアと人権(中央アジアの国々 アジア、ウズベキスタンと人権 アメリカ、ウズベキスタン、人権)
[ 問題提起 ]
著者は欧州復興開発銀行の人権担当(?)アドバイザーだった人。
[ 結論 ]
東欧や旧ソ連諸国を援助するための国際銀行において「人権」がどのように扱われ、社会主義の崩壊とともにどんな「人権問題」が噴き出したかが冷静に語られています。
[ コメント ]
国際政治におけるある種の”キーワード”を巡る攻防という面もあって、国際政治に興味のある人にはぜひ一読をすすめます。
[ 読了した日 ]
2009年3月20日