【乱読NO.1267】「「反」読書法」山内昌之(著)(講談社現代新書) | D.GRAY-MANの趣味ブログ

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[ 内容 ]
見栄や義務感は読書の大敵、教養なんか気にしない。
本選びの方法、「よりよく読む」ための技術、難解な書をいかに攻略するか、学生時代に何を読むか―知的人生を10倍楽しむヒント、一挙公開。

[ 目次 ]
第1章 「反」読書法とは何か
第2章 「よく読む」ための技術
第3章 本選びのヒント
第4章 学生時代に何を読むか

[ 問題提起 ]
イスラム学書(近現代イスラム史・トルコ史及び国際関係論)による読書論かつ読書ノート。

半ば感心、半ば反感。

これが正直な感想。

どんな人間にも功罪両面がある事は分かっている。100%の善人などウソ臭い事は当然!しかし、著者の描く「石原莞爾」の像には何やら違和感を拭えない。

[ 結論 ]
その石原に対する記述に「軍事力学主義者のサッダーム・フサインや金正日の<良識>を信じて、非武装や無抵抗を世界に向 かって無警戒に説く善意は、現代日本社会以外には通用しません。」とある。

確かに、観念的平和主義には力はない。

しかし、上記のように言うことで軍備重視に走り、「平和」の為に海外に軍隊-自衛隊-を派遣するのでは、戦前のシベリア出兵、山東出兵と何ら変わりがないのではなかろうか。

「最先端の兵器の開発が全面的な戦争をむずかしくする」と言っても、別の面から国民の首を締め付けては元も子もないのでは。

[ コメント ]
きちんとものを考えている人であることは認めるが、その視点は体制側からのものだ。

故に、納得できる見解もあるものの、全体としては承伏しかねる思いが強い。

[ 読了した日 ]
2008年12月31日