前にテレビのドキュメンタリー番組で観た、
東尋坊の命の番人である茂幸雄さんのお店です。
事情を抱えたまま東尋坊で彷徨う方々を助ける為に自費でボランティアをされている茂さんに心を打たれた私はいつか会いに行ければと思っていたのでした。
当日は10時過ぎしか時間が無く、まだ開いていないお土産屋さんが多い中、店の前で忙しく働いておられる茂さんを見つけました。
いざ御本人を目の前にすると、なんだか緊張してしまって、思わず普通の客を装い。
「宜しいですか?」
と、尋ねると、
「(アイス)キャンディーくらいしか出来んけど」と、茂さん。
「お餅は出来ますか?」と、尋ねると、
横から茂さんのパートナーである川越さんが、
「いいですよ」と返事をくれました。
茂さんも、「おお、出来るか!」と注文を受けて下さいました。
この店のおろし大根が掛かった餅を食べたかったので、ホッとしながらテーブルにつきました。
茂さんが、「何処からですか?」と聞いてくださってので、
「山口からです。前にテレビで観て、一度来たいと思っていました」と答えると、
「私の活動に興味が有ったら」と、活動報告を見せて下さいました。
そうこうしていると、川越さんがおろし餅を運んで来て下さいました。
食べてみると予想通りに凄く美味しかったです。
茂さんに活動報告を見せて頂きながら、おろし餅を食べていると、何故か涙が出て来てしまいました。
茂さんも店を開ける準備をしながら私の相手をしてくださっていますが、ふと茂さんのふくらはぎを見ると、筋肉がもの凄く発達していました。
毎日毎日真剣勝負のパトロールをされているからなのでしょうね。
なんだか、私のようなミーハーな気持ちで来てしまった事が申し訳なくなってしまい、お餅を食べたら邪魔をしないように店を後にしようと思ってしまいました。
私なりに思いを寄せて、立ち寄らせて頂いたつもりでしたが完全に甘かったです。
やはり、本物は違います。
お二人の笑顔や対応は柔らかく、包み込む様に優しいのですが、結局は自分の中途半端な生き方に後ろめたさを感じてしまったのです。
代金を払って、
(もう少し自分に自信が持てるようになったら)
「また来ます。美味しいお餅ありがとうございました」と御礼を言うと、
「おおきに。 また、どうぞ」
と茂さんが笑顔で見送って下さいました。
私財を投げ打ってボランティアをすると言う事は生半可な気持ちでは出来ません。
このお二人のような本物のオーラを目の前にし、私も微力ながら人の役に立って見たいと言う気持ちが芽生えて来る体験でした。
また、いつか戻って参ります。
とても写真をお願い出来なかったので、
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