Day5  Generator Crack

 

AM5:30にアラームをセットし、AM5:30に一度目が覚めたが、やる気がしないので二度寝した。

本当は、Middle Cathedral の East Buttress にいく予定だったが、ソロなので、やる気がしないときはやめる。

 

再度、遅めに目を覚まし、九州から来ているクライマーさんたちと朝食を共にした。

福岡チームは今日が最終日で、午前中Generator Crack をやりに行くというので、混ぜていただくことになった。

 

Generator Crack  は、やや被りのオフウィズスからスクイーズチムニーのワイド万歳ルートだった。

オンサイトトライをお譲りいただき、よっこいしょと取り付くが、唯一持って来ていたデカキャメの#5を、取り付きから手を伸ばしたくらいのところにセットしたら、以降プロテクションは一切取れないことが判明する。

落ちない自信はないので、リードは潔きよく諦め、上部に回ってサッサとTRを張る。

TRでは、まあ落ちずにテンションもせずに1発で登れたが、左右をスイッチしたところが結果的に上手くいかず、結構苦戦したので、リードしていたらかなりヤバイことになってただろう。

 

午前中のセッションを終え、福岡チームに車でCamp4まで送っていただく。

午後は、今後の予定も考え、エルキャップ南西壁へのアプローチの偵察に出かけることに。

Camp4の前のエルキャップシャトルのバス停に行くと、あらびっくり。

バス停にカバーが掛かってる。

昨日まで運行していたのに、今日からオフシーズンの運休期間に入ったようだ。

仕方がないので、車道を歩いて向かう。

 

小一時間歩いて、エルキャップのベースに到着。

下から見上げると、とにかくデカイ。

そのまま、西へ西へと岩伝いに回り込み、Lurking Fear の取り付きまで来た。

 

1P目の終了点に1パーティー。3~4P目にもう1パーティーいた。

このルート、フリー化されてはいるものの、「エイドの壁」という感じで、自分が今まで見て来たフリーの壁とは、まるで様相が違っていた。

簡単にいうと、真っ平らでだだっ広く、デカイのだ。

スラブは、フックとかボルトへのラダーの架け替えでの前進が基本になりそうだ。

ギア的にもタクティクス的にも、今まで自分がやって来たこととはかけ離れていることは明白で、今一度考え直す必要があると悟った。

 

日程的にも、BigWallに挑戦するか、それともBigWallは次に回して、フリーの1Dayマルチを複数やるか、決めなければいけない…。

結果として、多くのやらない理由が見つかってしまったため、今回は1Dayマルチ中心でツアーを進める選択をした。(でも来年か再来年には帰ってくるよ。)

 

明日こそは、Middle Cathedral の East Buttressに行くことを胸に誓って就寝。

 

 

Day6 East Buttress , Middle Cathedral

 

ブログを書くことにかなり疲れて来たので、このルートに関してはかなり端折ることにする。

むちゃくちゃ人気のルートで、取り付きには一番に着いたにも関わらず、後から後から人がどんどん上がってきた。

全部で7~8パーティーはいたんじゃないだろうか?

また厄介なことに、このルートはヨセミテマルチの入門ルートなので、中級者が初級者を連れてくるパターンが多く、エルキャップのEast Buttressみたいに、みんな登るのが早いわけではない。

なので、うかつに先を譲ると、待ち時間がかなり長くなることもしばしばで、抜かされないように頑張る必要があるのだが、いかんせんソロなので、(抜かれないようにする=動き続ける)ということになり、行動食を食べる時間も皆無なほど忙しいのだ。

 

混み混みなので、ビレー点のシェアもややこしく、まあいろんなストレスを感じながらのルートだったのであまり良い印象ではなかった。

核心の.10cのピッチは、他のパーティーはみんな右のラインから迂回して登っていなかったが、ここをやらないと本当に観光ルートになってしまうので一応登った。

だが次のピッチでまた大きく右にトラバースしなければならず、そこが一番厄介だった。

 

待ち時間もかなりあったが、なんとか日が暮れる前に道路まで下山し、朝と同じように暗闇の中道路を歩いてPM8:00ころCamp4に戻った。

 

Camp4でノミーとカッシーに会い、今日のことをお互いちょっと話した。

二人はFree Stoneというルートに行っていたらしいが、残置を残して敗退したらしい。

かなり素晴らしく厳しいルートらしいが、オノルドはそのルートもフリーソロしている。。。

Day3-4   El Capitan  East Buttress

 

まだまだ夜が明けぬ4:30、Camp4出発。暗闇の中を徒歩でアプローチする。

5:40トレイルに入り、樹林帯を抜けてガレ場を登る。前日に下見したにも関わらず、暗闇の中でヘッドランプの明かりでは全くと言っていいほど道が分からず、結果的に適当に進む。

結局、前日とは全く別のところを通ったようだがとりあえず南東壁の基部に出た。

6:50、East Buttressの取り付き着。次第に夜が明けてきた。

 

登る準備をしていると、「メチメチメチプシューッパーパーパー!!!」と物凄い轟音が轟いた。

落石だ。音の方向からして、さっき自分が歩いてきた、まさにその真上からだろう。

5分か10分遅れていたら、巻き込まれていた。恐ろしい、恐ろしすぎる。直撃しなくとも、飛び散った破片一つで簡単に死ねる。。。

 

そんなこんなで7:00過ぎ登攀開始。

1P目は、終了点直下がちょいと悪く(トポでは5.10aだが体感10c以上!)、頑張ってオンサイト。

 

FIXして取り付きに戻ると、後続のパーティが来ていた。

追いつかれないように、急いで登り返すものの、早そうな二人組みなので、2P目から先を譲る。

 

2P目は出だしが難しいが、プロテクションの効きも悪いのでかなり落ちたくない。先行の2人のムーブを見ておいて良かった。

 

3P目は、フェースをいきなり思いっきり左へトラバースし、フェースの左カンテを登る。

ムーブ的には易しいが、プロテクションはほとんど取れない。

それより先行パーティーがいなかったら、このラインどりに直ぐには気付かなかったかもしれない。

カンテを登りきったところにビレー点があるが、ここ以降緩傾斜になるので、ロープを延ばせるだけ延ばしてピッチをきる。

 

4P目は、緩傾斜から傾斜が徐々に立ってくる。

このピッチで3番手パーティーの猛追に会い、終了点で抜かしてもらう。

このルートは、中級者以上のある程度慣れた連中が軽装でスピード上げて登ってくるパターンが多いようだ。みんなそこそこ早くて、ソロではなかなか太刀打ち出来ない。

 

5P目は、中間部で小さなルーフ越えがあり(トポでは5.8だが…ジャパニーズの感覚ではそんなに易しくない)、その後右上してリッジに出る。

続く6P目の左上クラックもみんな繋げて登っていて、自分もそうした。2P繋げて55mくらい。

 

7P目は、真上にすごく明瞭な被ったワイドクラックが待ち構えている。はじめに、ワイドクラック正面突破を目論むが、デカキャメを持っておらず、被っているところの途中まで行ってヤバそうだなと思い、一旦クライムダウン。さらに後続パーティが控えていたので、先を譲って様子を伺うと、ワイドを突破せずに、左のフェースを巻いて登っていく。こちらはこちらで、プロテクションが取れなくてやばそうなのだが、真似して行ってみるとそんなにヤバくなくなく無事通過出来た。

 

8P目、9P目はプロテクションは取れないけど、易しいフェースクライミング。ここまでのピッチで感覚が麻痺しているので、もう簡単な箇所でのランナウトは気にならない。

 

10P目は、正面に大岩が突き出ていてその右コーナーを登るような感じ。このピッチを登りきったところで明らかに傾斜が緩くなり「ようやく終わった」的な感じになるが、ラストもう1ピッチ。

その頃には、辺りはほとんど真っ暗になっていた。

ビレー点で居合わせた後続のパーティーに「どうするんだ?」と聞かれたので、「下降路が分からないので、今日は上でステイする。」と言うと、「夜は寒いぞ~」的なことを言われた。

ラスト11P目。後続の二人はビレー無しでスラブを上がって消えて行った。緩いスラブなので自分もフリーソロで行ったろかと思ったが、ビバークは決定的なので時間はあるし、ここでミスったらアホらしいのでロープを結んでいく。

PM7:30頃、一応トップアウト。あまり平らじゃないけどなんとか横になれる岩陰のスペースを見つけて寝ることにする。エマージェンシーシートと、念のために持ってきたダウンジャケットが大いに役に立った。

(翌朝撮影)

 

ほぼ満月で明るく、無風の穏やかな夜だった。

それでも熟睡はできず、夜明けが待ち遠しかった。

 

 

 

明るくなると、あたりの地形が明らかになって、もう少し進めば平らな台地だった。

太陽が顔を出すのを待って、下山を開始。

イーストリッジの下降ポイントは、的確なトポのおけげで、迷わずに辿り着いた。

6回のラペルは、すべてFIXロープが張られていて明瞭だった。

 

AM10:00過ぎ、Camp4帰着。

朝飯兼昼飯を食べて、この日はレストした。

イーストリッジからCamp4への帰り道「なんかヨセミテ1発目から頑張っちゃったな~」と、若干の満足感を感じつつ、同時に多くの課題が浮き彫りになった。

ビッグウォールやれるんかいな…

もう1ヶ月ほど前のことになりますが、ヨセミテに行ってきました。

現地滞在日数は12日間と短めでしたが、ヨセミテならではのロング&フリーにソロでトライし、はじめはイワされつつも、後半には徐々に技術や身体が馴染んでくる感覚を覚えることができました。

 

Day1  SFO→ヨセミテ

早朝、SFOからBART(市内電車)に乗りサンフランシスコ中心部(Powell St.)へ。そこからGray Lineという観光バスに乗る。

 

バスは、何回かの休憩とビューポイントでの写真撮影タイムを挟み、昼過ぎにヨセミテロッジのバス停に到着。

早速Camp4に出向き、知人らしきテントを物色し、テント内に荷物をデポさせていただく。うろうろしていると怪しまれたか、レンジャーに話しかけられるが、スマイルでごまかす。

そのあと、バレーシャトルに乗ってスーパーとマウンテンショップをハシゴし、食料と燃料を調達。

Camp4に戻る頃には日がとっぷりと暮れ、薄着で出て来てしまったためとても寒い。

Camp4で知人の日本人クライマーと合流し、キオスクの順番待ちは前夜から並ばないといけないことを知り、早速キオスク前に並ぶと、運よく翌日の定員内に入ることが出来た。

 

Day2  

昨晩はキオスクの列に並んだまま、簡単な晩飯を作って食べた。食料は防水バックに入れてザックの中に入れて枕元に置いて寝たのだが、朝起きると、ザックは開けられ、防水バックが千切られて、食料の一部が散乱していた。

リスの仕業だ。レンジャーに見つかる前に慌てて片付ける。

キャンプ場にチェックインしたらそれぞれベアーボックスが充てがわられるけど、並んでいる間の食糧管理はどうしたらええねん⁈て、思ったのもつかの間、並んで待つ人用のベアーボックスが、すぐそばにちゃんと設置されていた。昨晩はもう暗かったので気付かなかった。

Camp4の手続きを無事に済ませ、無事テント場を確保。

 

昼から、El Capitan East Buttressの取り付きまで、アプローチの偵察に向かう。

E.B.の取り付きへはZodiac talusというアプローチを使う。エルキャップメドウの少し手前(Camp4より)のダートの駐車場のから入り樹林帯を抜けると、あとはひたすらガレ場を上がることになる。

ガレ場は、所々にケルンがあるものの、見通せる範囲で連続していないので、すぐにロストする。

やや右上に向かう感じで、ガレ場をひたすら登れば、南東壁に取り付きに突き上げる。地面からいきなり垂直の壁がどーんと立ち上がっている。

 

南東壁の基部を右へ右へとトラバースし、最後は少し下る感じで、行き止まりのところ(それ以降は崖)まで行ったところがE.B.の取り付きだ。

この日も何パーティーか取り付いているのが見えた。

偵察を済ませ、食料の買い足し、明日の準備などして、この日は終了。