ミッドナイトスワン@Netflix
昨今稀に見る秀逸な作品。
凪沙はニューハーフのショーパブで踊るダンサー。
彼女はネグレクトに遭った親戚の子供、一果を預かることになる。
当初は嫌々だったものの、一果はバレエの才能があり、凪沙もそれを認め、支えようとする。
二人の関係はどう変わっていくのか。
凪沙の性自認は女性だが、実家の母親にはそれを告げられていない。
ホルモン投与の副作用で体調不良になることもあり、それが性自認を否定していることもあり鬱屈としている。
姪である一果の通うバレエ教室の先生から「お母さん」と呼ばれることに、この上ない喜びを感じる。
それはフィジカルな性自認の否定を覆した、そんな喜びの爆発だったのではないか。
自己肯定をそんな手法で描いた内田英治の卓越した描写が見事である。
そして、それを体現する草彅剛の説得力は目を見張るものがある。
自らの性を詳らかにして実家に帰省した際の、母親から言われる、
「お願いだから病院に行って治して」
という台詞は、よく書けたなと思ってしまった。
息子だと思っていた子供が、女性になって現れた母親の混乱を端的に表している。
救いのあるストーリーでは無いが、凪沙は救われたのだと思う。
とはいえ、ジェンダーとしての自認を母性に求めるというのもまた、それに対して物言う層がいるのであろう。
あるがままを受け入れることが多様性の許容だと私は常々思っているのだが、
多様性をと言い出す人ほど、自分の納得のいかないことを認められない人だと思うのは私だけだろうか。
目標まで、あと26本。