かがみの孤城 | Zatolog

Zatolog

つれづれなるまゝに、日暮らし、硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。

日々感じたことを、忘れずに、共有し、共感し、共生したい。

かがみの孤城@Amazon Prime Video 


辻村深月の本屋大賞受賞作をアニメ映画化。


主人公のこころは、不登校の中学一年生。

ある日、自分の部屋の姿見鏡の放つ光に誘われ、不思議なお城にやってくる。

そこにはオオカミ様と呼ばれる少女が、他にも中学生を呼び込んでいた。

カギを探し出した者には、なんでも好きな願いを叶えてやると言うオオカミ様。

果たして、どうなることか。


こころは、友達からのいじめによって学校に行けなくなってしまう。

なぜこころが標的になったのか、それが描かれないのがリアリズムを徹底させているところなのかもしれない。

この城での生活を経て、こころが生きることを選択し、それを他人にも求める人間になったことが救いである。


原作よりも、七人の中学生が城に集められた因果関係を追う描写が少ないかわりに、

アキが後の喜多嶋先生であるのでは?という直接的描写が目を引いた。

こうして映像化をすると、こころという主人公の行動がそれほど大きくなく、物語への影響も少ない印象も受けた。

リオンとの関係性も描写が薄く、エンディングでの再会の盛り上がりに欠ける。


決定的な難点は、アキの時代の1992年にはルーズソックスは流行していただろうか、、、ということが気になってしまった。

あれの流行は1995年前後だったように思う。

90年代の女子中学生のアイコンとしての描写なのだろうが、その時代を生きた人間からするとなんとなく受け入れ難い。


目標まで、あと77本。