シネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』@丸の内ピカデリー
2023年7月に上演された歌舞伎公演を収録したもの。
とはいえ、新たな編集を加えてシネマ歌舞伎と銘打った作品である。
「刀剣乱舞」は刀剣から顕現した付喪神である刀剣男士を駆使して、
過去の歴史を改変しようとする時間遡行軍の企みを阻止するゲームである。
ミュージカルやストレートプレイの舞台、アニメ、実写映画化などメディアミックスの雄であるが、この度は新作歌舞伎として上演された。
時は永禄年間。
足利義輝在世の時代に、松永弾正の命を狙い、その謀反を起こさせないことで歴史の改変を狙う遡行軍。
三日月宗近たち刀剣男士は、自らの主である審神者の命により、その企みを阻止するために時を越える。
三日月宗近の最初の主は足利義輝といわれており、その因縁浅からぬ間柄を断ち切って任務を遂行することができるのか。
余すところなく、むしろより鮮明に舞台の興奮を体現している。
惜しむらくは、劇場で収録されている弊害として音響が弱い。
映像は圧巻の一言。思いもよらぬ表情を切り取っている。
歌舞伎の底力を見た。
目標まで、あと84本。