Zatolog

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つれづれなるまゝに、日暮らし、硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。

日々感じたことを、忘れずに、共有し、共感し、共生したい。

先生の白い嘘@新宿ピカデリー


高校教師・原美鈴は、親友である美奈子のフィアンセである早藤に無理矢理犯され、その関係はいまだに続いている。

呼び出されれば応じ、恐怖を超越したところに至っているのだ。

そこで、美鈴の担任するクラスの新妻祐希が、バイト先の主婦と関係し、女性に対して恐怖心を抱くことがわかる。

果たして、この関係はどうなっていくのか。


映画の内容はもとより、公開前にインティマシー・コーディネーターを巡る報道で注目の作品となった。

それがなければ、然程話題にもならずに公開を終える映画だったであろう。

原作は未読だが、それに比べても性被害というセンシティブな犯罪に真摯に向き合っていないらしい。

新進気鋭の女優の体当たりの演技、という視点の話題作りをするはずだった作品だろうが、

先のコーディネーター問題でそうすることも叶わず、詰みになったきらいがある。


実際の内容を見ても、このご時世に、この内容の作品で、若手注目株の女優である。

コーディネーターを立てずに撮影を進行する、というジャッジをした製作陣が一番の問題であろう。

監督がなんと言おうと、発注した側の責任として全うすべきであった。

このことがあるから、この作品は正当な評価をされずに悲しくも埋もれていく。


目標まで、あと59本。

野球部に花束を@U-NEXT


高校デビューを夢見て髪を茶髪にしてとある高校の門をくぐった、元野球少年・黒田鉄平。

結局、ひょんなことから中学野球を経験してきたクラスメートたちと野球部に入部することになる。

それは、理不尽と不合理、そしてハラスメント的行動が跋扈する地獄への入り口であった。


とにかく、野球部あるあるを散りばめた作品。

散りばめただけ、といっても過言ではない。

果たして、この時代にもこんな野球部が存在するのだろうか、、、あるのだろう。


ひとつひとつのエピソードはクスリと笑えるものも多いのだが、

果たしてそれを映画として劇場で見ることを考えると、ここまでの規模感が必要なのかは疑問である。


目標まで、あと60本。

仁義なき戦い 完結篇@U-NEXT


人気シリーズの五作目にして完結篇。

実質的には前作で人間ドラマとしての終着を見せているのだが、当時の東映経営陣の「まだ完結篇とは銘打ってないだろう」の一言により製作されたのは有名な話。


そもそも、上記の事情から四作目まで脚本を手がけた笠原和男が降板している。

そういう意味でも、ある意味ではエクストラ・ワンの雰囲気が漂う。

主人公である広能は物語の大半を獄中で暮らしており、いかにこの男を一線から退かせるかの様子を描いている。


先にも論じたが、このころの俳優専属問題のため、二作目で主人公格を演じた北大路欣也が、

今作では広能たちの世代交代のきっかけとなる、松村保を演じている。

両作とも好演が光るだけに、同一世界観の中で一人の俳優が別々の役を演じることに違和感は否めない。

特に、このシリーズの初期五作はたった二年の間に製作されており、観客の混乱も著しかったのではないだろうか。


目標まで、あと61本。