

日本と隣国との関係において2つの重要事件が立て続けに起こった。
察するに、どうやら日本政府は、「領土問題の解決にあたって、極端な頑固さを発揮することは、何らの利益もうまない」と認識したかのようだ。
今度は北京がそれを認識するべきだ。
2日の報道によれば、ブルネイで開催中のASEANサミットで、1日、日本と韓国の外相会談が成立した。
岸田・ユン両外相は、2国間関係の発展の重要性は両者ともに認めるところであり、これを達成するために緊密に働かなければならない、という点で合意に達した。
両者がどうやら、近日の両国関係悪化の最大要因である「領土問題」の討議に踏み込まなかった様子であることは、注目に値する。
もちろん、日本の高官が靖国神社を訪問することに、韓国人は憤慨している(アジアではこれは日本の軍国主義の象徴であるとみられている)。
また大阪市長橋下氏の、帝国主義日本による慰安婦の利用を正当化するかのような発言も(その大部分を韓国女性が占めていた)、また安倍首相による、日本がアジアに「侵略」を行ったという根拠は薄弱である、という発言も、やはり韓国の憤慨を呼んでいる。
しかし、互いにもっともいらだたしいことは、領土問題のごとき重大問題の「存在」が認められない、ということに尽きるだろう。
韓国は日本との高官レベルのコンタクトを停止し、国防部門における協力を停止した。
国際研究所のアンドレイ・イワノフ専門家は次のように語っている。
「領土問題は露日関係をも大いに複雑化させている。露日においては、韓国と違い、少なくとも問題の存在は認められているし、1956年の共同宣言をもとに解決していこうという方針さえたっている。ロシアは平和条約の成立ののち、4島のうち2島を変換する用意がある、と表明している。しかし、日本は全4島の返還をもとめ、ロシアの役人、政治家、とりわけ大統領などが南クリルを訪問することを激しく批判する。そのことが、2009年から2013年のはじめにかけて、両国の政治関係が冷え込んだことの原因となった」
しかし今、状況はいささか変化した。
日本側からの南クリル、竹島変換要求は、だいぶ静かなものとなった。あるいは、これは、日本は自らあの、ロシアと韓国にとって馴染みの状態に陥ったからなのかもしれない。
「すべては、2010年秋、日本の尖閣諸島に対し、中国が、強硬かつ型破りなやりかたで、要求をもちかけてきたことにはじまる。中国漁船が日本の警備艇にあつかましい衝突をしかけてきたのだ。そして2012年夏、中国は非常にはげしく、日本政府が尖閣諸島のうちの3島を民間人から購入したことに抗議した。抗議の調子、大規模反日マニフェスト、日本企業のオフィスからの追放、これらのことが、中国は釣魚島を手に入れるためになら、日本との経済的な結びつきもすべてかなぐり捨てる用意がある、との理解を与えた。そしてそれにとどまらず、ある一定の条件においては、軍事的力の行使も辞さない、ということも示された」(A.イワノフ)
こうした中国側からの激しい要求を受け、日本は尖閣防衛措置を講じるなどについて米国との軍事協力を活発化させたばかりか、竹島や南クリルの返還を求める戦いにおいて、その戦略を見直すことをはじめた。
先日の安倍首相のモスクワ訪問の際には優先課題として経済協力が討議された。
そして今のブルネイでは、日本のメディア報道によれば、岸田・ユン外相会談ではソウルによる領土問題の存在の認定という問題は取り上げられなかった。
かわりに中国が、再び、尖閣(釣魚島)返還要求を東京に思い出させた。
いわく、両国トップ会談の条件として、日本は領土問題の存在を認めなければならない、とのことだ。
日本はあたかも、かつてソビエトが、また現在韓国が、日本の領土要求に対して取っていたのと同じ態度を、中国に対してとっている。
つまり、問題の存在そのものの否定。
中国がかつての日本そのままに、問題の存在認定の要求ということをしつこく続けていくということには疑いがない。
この状況において日本には2つの道がある。
ひとつは韓国のように、耳を覆い、問題の存在を否定し続ける道。
その間米国との軍事協力を発展させていく。
もうひとつはロシアのとった道だ。
つまり問題の存在の認定。
しかし日本は、もしも問題の存在を認定すれば、中国はそれにあきたらず、ますます要求を強硬化させていくだろう。
それを日本は恐れている。
島々をめぐる、互い実りのない闘争も、どういう形でか、当事者にひとつの教訓―強硬さや頑固さというものは何らの結果ももたらさない、という教訓を引き出すことを願おうではないか。
2013/07/02
[The Voice of Russia]