

米国のオバマ大統領のロ米戦略核兵器削減提案は、ロシア側からは懐疑的な反応に会ったが、中国はこれを支持した。
国際問題におけるロシアと中国の立場が食い違う事は、ここ最近では珍しい。
ロシア戦略・技術分析センターのワシーリイ・カシン研究員は「ロ中の意見の食い違いは、両国の軍事政治ドクトリンの違いに関係するものだ」と説明している。
ロシアの視点から見れば、ロ米の核軍縮問題は、通常兵器拡大問題と切り離して検討するわけにはいかない。
プーチン大統領は「現在、高度な精密兵器システムが発展しつつあり、能力の点でそれは核兵器に近づいている」と指摘した。
米国が、ステルス戦闘機や巡航ミサイル、超音速ミサイルそして高性能精密兵器など様々な新型兵器の開発において、世界のトップを行っている事に疑問の余地はない。
また米国は、これらの新型兵器を世界中で使用できる世界最大の海軍艦隊を擁している。
核兵器の役割の低下は、ロシアにとってパワー・バランスにおける否定的変化をもたらす。
ここでソ連邦崩壊後、ロシア軍とNATO軍の間で局地的な軍事衝突が現実に起こりうる可能性が、少なくとも2度あったという事を指摘しておきたい。
またロシアの地理的要素も、核兵器に関するロシアの立場において重要な役割を果たしている。
ロシアは世界最大の国土を持つが、領土のかなりの部分は、有望な資源採掘に利用できるとはいえ、居住にはほとんど適していないか、例え住めても、その数は多くない。
ロシアの人口は、広大な領土に比べ多くはなく、軍人の数も、かつて計画された100万人に到底達していない。
そしてついには、ロシアの比較的近くに、新たな核保有国が生まれようとしており、そのうちのいくつかの国は、安定性に欠け、今後の行動が予見できない。
一方ロ米に更なる核兵器削減を求める中国は、全く別の状況にある。
中国の軍事機構において核兵器が果たす役割は、はるかに小さい。
その目的は、他国による中国への核攻撃を抑止するという事だけだ。
2004年、中国は「自分達の核戦力は、公式に核兵器の保有を認めている国々の中で最も小さい。核弾頭の数は、英国よりも少なく200発以下に過ぎない」と明らかにした。
その一方で、アジアで米国の軍事プレゼンスが増大する条件下、中国は、核戦力の増強と近代化を余儀なくされた。
新しいミサイル原子力潜水艦が建造され、ステルス能力を持つ原則的に新しい戦略爆撃機プロジェクトも現実化されようとしている。
このように、ロ米合意の枠内での米国の核戦力削減は、中国の安全を強化するだけで、中国の限られた核戦力の価値を高めてしまう。
それゆえロシアは、核兵器の軍縮についての交渉に、中国も含め他の国々も参加すべきであり、そうして初めて交渉は公正なものになると主張している。
22.06.2013
[The Voice of Russia]