

核を脅しの材料にして挑発を続けた後、一転して対話姿勢を示す。
北朝鮮が何度となく繰り返してきたパターンだ。これまで国際社会から支援を引き出してきた常套手段は、今回もまた通用するのだろうか。
今年3月の時点で、北朝鮮は米国に「核戦争開戦」を警告し、韓国とのホットラインを遮断するなどして緊張をあおっていた。
しかし最近になって態度を一変。
平壌では先週以降、道路沿いに並んでいた反米の看板が次々と撤去されているという。
これは金正恩第1書記の父、故・金正日総書記が得意とした「いつものパターン」だ。
欧州のシンクタンク、国際危機グループ(ICG)のステファニー・クレインアルブラン氏は、今回の駆け引きも実質的には同じとの見方を示す。
同氏によれば、北朝鮮は核問題を巡る6者協議参加国の分断を図っている可能性がある。
中国が北朝鮮との交渉再開を急ぐのに対し、米国は交渉の前提条件として、北朝鮮が核放棄に向けた行動を示すよう求めている。
こうした食い違いに北朝鮮が目をつけていることは十分にあり得る。
ただクレインアルブラン氏によると、金正日総書記の時代には挑発行為の一方で中国の顔を立てるという「微調整」がみられたが、今回はそれが一切なかった。
そのせいか中国は最近、北朝鮮に対していらだちを募らせているようだ。
北朝鮮が「やりすぎた」と批判する声も上がっているという。
とはいえ、中国が北朝鮮に抱く怒りの感情は、欧米の怒りとはまったく別物だと、同氏は指摘する。
「中国にとって北朝鮮はわがままな子どもと同じ。連れ戻すためには北朝鮮の不安をあおるのでなく、むしろ軽減する必要があるという考えだ」という。
韓国延世大学のイ・ジョンフン准教授は、今春就任した中国の習近平国家主席が北朝鮮に核放棄を迫る姿勢を示しているうえ、米韓、米中などの首脳会談が相次いだことで、北朝鮮は追い詰められた心境に陥っているのではないかと話す。
イ氏によると、北朝鮮側の最近の発言からは極度の不安が感じられる。
「北朝鮮は必死にあがいている。生き残るための唯一の手段として核兵器に固執しているのだろう」と、同氏は分析する。
中国は北朝鮮と隣接する東北3省で大規模な開発計画を進めてきたが、ここでも北朝鮮が脚を引っ張っているとの声が高まりつつある。
イ氏は「中国政府の対北朝鮮政策に大きな変更があるとは思わない。
ただ中国では最近、北朝鮮に何かが起きる可能性や、その場合に自国の経済開発にどんな影響が及ぶのかが検討され始めているようだ」との見方を示した。
2013年06月20日
[CNN]