異色の作品なんだそうですが、森作品で最初に読んだ作品が本書だった私は『すべてがFになる』で混乱してしまいました。
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森 博嗣著 (文藝春秋) 『少し変わった子あります』
あらすじ:失踪した後輩が通っていたのは、いっぷう変わった料理店。予約のたびに場所が変わり、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれる… 大学教授の小山は、かねて後輩の荒木から勧められていた料理店に、ふと行ってみる気になった。当の荒木がいつのまにか研究室に来なくなり、気がついたら行方不明になっていたからだ。――それは変わった料理店だった。場所は予約のたびに変わり、決まった店員は女将ひとりだけ。そして、毎回、そのつど違う若い女性が食事に相伴してくれるのだ。とまどいつつも、その店のもつ雰囲気に惹かれてゆく小山。孤独とは、何と美しいものなのか。圧倒的な余韻を残す、味わい深い作品です。 |
ストーリーはとってもシンプル。今は失踪してしまった後輩から勧められた料理屋。毎回若い女性が食事を相伴してくれる、予約するたびに場所も変わる謎の料理店。大学教授の小山はその変わった料理店の雰囲気に惹かれ回数を重ねる・・ というだけのお話なのです。
なのにどうしてこんなにも恐怖なんだろうか。
たぶんそれは、主人公・小山の雰囲気から圧倒的な孤独が感じられるからだと思います。
文章中には後輩と酒を飲み話しをしたり、電車に乗ったり仕事をしたり普通の日常生活を送っているんだけど生活臭が感じられないというか、目を凝らさないと小山という存在を見失ってしまいそうになります。
ここで一番好きなのは食事の風景。堅苦しい感じは全く感じられない 初めて会ってこれからも二度と会わない女性と毎回食事をするのですが、その女性達のお箸の使い方を含めた食事の仕方たとても美しいのです。
読んでいるだけなんだけど実際に見ているような気がする。
全体的にはとても美しく穏やかな雰囲気をまとっている本書なのでだけど、根底からゆっくりと崩れていくような感覚もひっそりと存在していてそれが恐い。
ラストは後輩が失踪した気持ちを理解する小山ですが、 理解できてしまった小山にも私は鳥肌がふわっと立ちました。
