部活動の地域移行。
ニュースを見ていると、
「先生の負担を減らす」
「地域で子どもたちを支える」
「持続可能なスポーツ環境を作る」
そんな言葉をよく聞く。
もちろん、考え方は分かる。
でも実際に子どもの部活に関わってきた親として考えると、
そして、誰が送迎するの?
ここを抜きにして地域移行は語れないと思っている。
先生がやるか、やらないか。それはもう本人が決めればいい
まず先生について。
俺はもう、ここを難しく考える必要はないと思っている。
やりたくない先生はやらなくていい。
バスケが好きで、子どもたちを教えたい先生まで
「働き方改革だから部活から離れてください」
とする必要もない。
逆に、競技経験もなく、やりたくもない先生に休日まで指導させる必要もない。
そこは本人が選べばいい。
そして休日に指導するなら、先生であろうと地域の人であろうと、
ちゃんと指導者にお金を払えばいい。
スポーツの指導だけ「タダ」が当たり前なのか
ここは地域移行の良い部分だと思っている。
塾には月謝を払う。
ピアノにも払う。
英会話にも払う。
だったらスポーツを教えてもらうのにお金がかかるのも、俺は当然だと思う。
これは地域移行のメリットの一つじゃないだろうか。
俺自身、スポーツ少年団の指導に関わった経験がある。
スポ少は今まで、かなり安い費用で活動できてきたところも多い。
でも、それが可能だった理由の一つは、
指導者がほとんどボランティアに近い形で支えてきたから。
地域クラブになって会費が上がったとき、
「高くなった」
という声は当然出ると思う。
でも一度考えてみたい。
それとも今までの子どものスポーツが、
誰かの善意によって安すぎただけなのか。
俺は後者の部分もかなりあると思っている。
先生がやらなかったら、誰がチームを残すのか
問題はここから。
今まであった学校単位のチームを残したい。
でも先生は指導しない。
じゃあ、どうするのか。
現実的には、
これが一番現実的だと思う。
競技経験のある保護者がいて、
「俺が見るよ」
という人がいるなら、それでチームを残せばいい。
もちろん必要な研修や安全管理は必要。
そして、その人にも指導者として報酬を出す。
俺は保護者が指導者になること自体、悪いことだとは思わない。
問題は、
先生もやらない。
保護者もできない。
地域にも指導者がいない。
そうなったとき。
残念だけど、その学校単位のチームを残すのは難しい。
その場合は、
厳しいけど、地域移行を本当に進めるなら、こういう現実も受け入れないといけないと思う。
だからチーム数は、これから減っていくと思う
少子化だけの問題じゃない。
これまでは各中学校に部活があったから、少ない人数でも何とかチームが存在していた。
地域移行すれば、
指導者がいるところ。
人数が集まるところ。
そこへ少しずつ集約されていくと思う。
例えば4つの学校に少人数のチームがあるなら、将来的には2つ、場合によっては1つの地域チームになるかもしれない。
人数が集まれば、5対5もできる。
練習の質が上がる可能性もある。
指導者も集約できる。
悪いことばかりではない。
でも地方の場合、そこで次の問題が出てくる。
チームをまとめたら「誰が送る?」
これは地方ではかなり大きい。
今までは自分の学校に行けば部活ができた。
それが地域クラブになって、
「今日は別の学校の体育館です」
「この地域の拠点まで来てください」
となったら、
になる。
公共交通機関が充実しているところならまだいい。
地方では車が前提になる場所も多い。
結局、親の送迎になる。
チーム数を減らせば運営は効率化できる。
でも、活動場所までの距離は遠くなる。
人口が減ったからといって、
学校と学校の距離まで縮まるわけじゃない。
ここが地方の地域移行で一番難しいところの一つだと思う。
地方は出生率だけ見れば低いとは限らない
「少子化だから仕方ない」
これだけで片付けるのも少し違うと思う。
地方には、全国平均より出生率が高い地域もある。
それでも子どもの数は減っている。
若い世代そのものが減っていたり、進学や就職で地域を離れたりするからだ。
つまり、
人口が少なく、学校同士も離れている。
だからチームを集約したときの影響が大きい。
地域移行だから、全部新しくする必要もない
そしてもう一つ。
俺なら最初から新しいものを作ろうとは考えない。
地域クラブになったから、
新しいチーム名。
新しいユニフォーム。
新しい備品。
本当に全部必要だろうか。
ユニフォームを一式そろえるだけでも、人数がいればかなりのお金になる。
だったら、
使えるボールは使う。
使える体育館は使う。
今ある仕組みで残せるところは残す。
まずはそれでいいと思う。
地域移行すること自体が目的じゃない。
子どもがスポーツを続けられることが目的のはずだから。
俺は地域移行に反対しているわけじゃない
ここまで書くと、
「地域移行に反対なんですね」
と思われるかもしれない。
でも、そうじゃない。
むしろ良い部分もあると思っている。
先生が強制されなくなる。
やりたい人が指導する。
そして、その指導者にきちんとお金が払われる。
これは今までより健全だと思う。
ただ、
地域クラブができました。
それだけで「成功」と言っていいのか。
俺が気になるのは、その先。
5年後。
チームはいくつ残っているのか。
指導者は続けているのか。
保護者の送迎はどうなっているのか。
会費はいくらになっているのか。
そして何より、
子どもたちは今と同じようにスポーツを始められているのか。
そこまで見て初めて、地域移行が成功したのか分かるんじゃないだろうか。
残せるチームは残す。
使えるものは使う。
やりたい人が指導する。
そして指導者にはきちんとお金を払う。
それでも維持できないなら、チームを集約する。
そのとき、地方の子どもたちがスポーツを続けられる環境をどう残すのか。
地域移行で本当に議論してほしいのは、そこだと思っている。
皆さんの地域では、部活動の地域移行はどうなっていますか?
「誰が教えるのか」
「誰が送迎するのか」
「いくらなら払えるのか」
実際に子どもが参加する立場で考えたとき、今の仕組みで続けられそうでしょうか。