「ひろゆきの『奨学金300万円が少子化に影響』説を人生設計で検証してみた」 | AIと親父とバスケのブログ

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ひろゆきの「奨学金300万円が少子化に影響」説を人生設計で検証してみた

少し前に、ひろゆきさんが少子化について話している動画を見ました。

その中で気になったのが、

大学に行くために奨学金を借り、
200万円、300万円という返済を抱えた状態で社会人になる。

それが結婚や出産にも影響しているのではないか。

という話。

最初に聞いたとき、

「確かに、それはあるかもしれない」

と思いました。

でも同時に、

全員に当てはまる話でもないよな、と。

親がお金を出してくれて奨学金ゼロで大学へ行く人もいる。

大学を出て大企業に入り、高い収入を得る人もいる。

逆に大学へ行かず、高校卒業後すぐ大企業に入る人もいる。

高卒で中小企業に入る人もいる。

だったら、

実際の人生設計に当てはめたら
どうなるんだろう?

と思ったので、今回は数字を見ながら考えてみます。

まず「奨学金を借りる大学生」は珍しいのか

ここは最初に確認しておきたいところ。

日本学生支援機構(JASSO)の学生生活調査では、大学学部昼間部で奨学金を受給している学生は、

55.0%

となっています。

もちろん奨学金には給付型もありますし、借りる金額も人それぞれ。

それでも、

「大学生の半分程度が奨学金を利用している」

という部分については、そこまで現実離れした話ではありません。

300万円借りると、何歳まで返すのか

JASSOが示している第一種奨学金の返還例があります。

私立大学・自宅外で月6万4,000円を4年間借りた場合、

6万4,000円 × 48か月

307万2,000円

返済例は、

月1万4,222円 × 216回
=18年間

22歳で大学を卒業して返済を始めれば、

40歳ごろまで。

これを見たとき、300万円という金額そのものより、

「返している時期」の方が気になりました。

そこで4つの人生に分けてみる

今回は分かりやすく、次の4ケースで考えます。

① 高卒 → 大企業

② 高卒 → 中小企業

③ 大学 → 大企業

④ 大学 → 中小企業

大学組については、さらに

奨学金なし
奨学金約300万円あり

で状況が変わります。

当然ですが、この時点で答えは一つじゃありません。

18歳。ここからお金の流れが逆になる

高校を卒業して就職すれば、

18歳から給料をもらいます。

大学へ行けば、

18歳から4年間、大学生活。

つまり、

高卒就職 → お金を稼ぎ始める

大学進学 → 教育にお金を使う

どちらが正しいという話ではありません。

大学でしか取れない資格もあるし、大学へ行くことで広がる仕事もある。

ただ、

18歳から22歳までのお金の流れはまったく違います。

22歳。すでに4年間の差がある

厚生労働省の賃金統計を使って高卒就職者の最初の4年間の所定内給与を単純計算すると、

4年間で
約1,100万円

程度になります。

しかもこれは賞与や残業代などを含めない単純計算。

もちろん1,100万円がそのまま貯金になるわけではありません。

生活費も払う。
税金も払う。
車を買う人もいる。

それでも、

22歳の時点で「4年間働いた人」と
「これから社会人になる人」になる。

ここは結構大きい。

一方、大学卒業時に奨学金約300万円が残っていれば、

22歳からは、

給料をもらい始めると同時に返済も始まります。

でも、高卒なら勝ちなのか?

そんな単純な話でもありません。

ここで大きく効いてくるのが、

「どこに就職したか」

です。

高卒でも大企業に入る人がいる。

高卒で中小企業に入る人もいる。

大学を卒業して大企業に入る人もいれば、中小企業に入る人もいる。

長い人生で見れば、企業規模によって賃金や賞与、退職金、福利厚生などに大きな差が出る可能性があります。

つまり、

「高卒か大卒か」だけ比べても意味がない。

最終的にどんな仕事・会社に入るのかまで見ないといけない。
28歳。結婚すると仮定してみる

仮に28歳で結婚するとします。

高卒なら社会人10年程度。

大卒なら社会人6年程度。

奨学金307万円を18年間返すケースなら、6年間返済しても、

残りは単純計算で
約205万円

夫婦二人とも同じくらいの奨学金を抱えていたら、

約410万円。

もちろん、実際には返還方式や金利などで違います。

ただ、この時期って、

結婚。
引っ越し。
家具。
車。
住宅。

いろいろなお金が必要になる時期でもあります。

30歳。子どもが生まれたらどうなる?

ここが、ひろゆきさんの少子化の話と一番つながるところだと思います。

例えば30歳で第一子。

夫婦共働きだったとしても、出産すれば産休・育休があります。

育児休業給付は原則として、休業開始から180日までは休業前賃金の67%、その後は50%。

一定の条件を満たす出生直後の期間には上乗せ制度もあります。

給付は非課税で社会保険料免除もあるため、単純に「給料が半分になる」という話ではありません。

それでも、

それまで夫婦二人がフルタイムで働いていた家計と比べれば、収入構造が変わる時期がある。

しかも支出は減るとは限りません。

住宅ローン。
車。
保険。
赤ちゃん用品。
子育て費用。

そこに奨学金返済が残っている家庭もある。

月1万4,000円なら大したことない?

奨学金の返済が月1万4,000円くらいと聞くと、

「それくらいなら払えるだろう」

と思う人もいるでしょう。

確かに、奨学金だけを見ればそうかもしれません。

でも、

奨学金 約1.4万円
住宅ローン

保険
子育て
産休・育休による収入変化

全部同じ時期に来る。

夫婦二人とも奨学金なら、

毎月
約2万8,000円
年間 約34万円

になる。

これが20代、30代の家計から出ていく。

しかも、

その20代後半〜30代こそ、結婚や出産を考える年代です。

ケース① 高卒→大企業

18歳から収入が始まる。

大学費用はない。

奨学金返済もない。

30歳なら社会人12年程度。

さらに大企業なら、給与だけでなく賞与、退職金、住宅制度、育児制度などが充実している会社もあります。

人生設計という意味では、かなり強いルートになる可能性がある。

ただし、大卒でなければ就けない仕事や昇進・転職などの選択肢に違いが出る可能性もあります。

ケース② 高卒→中小企業

こちらも18歳から働けるので、大学組より4年間早く収入を得られます。

奨学金もない。

ただし、

大企業と比べると、その後の賃金上昇、賞与、退職金、福利厚生などで差が広がる可能性があります。

つまり、

「4年間早く働いた」というメリットだけでは、一生の優劣は決まりません。

ケース③ 大卒→大企業

22歳時点では、高卒就職者より4年間遅れて社会人になります。

奨学金を借りていれば返済も始まる。

でも、その後大企業に入り、大学で身につけた専門性を生かして賃金が上がっていけば、

4年間の差を長期的に取り返す可能性は十分ある。

まして親が大学費用を負担して奨学金ゼロなら、ひろゆきさんが指摘した「借金を背負って社会人」という問題そのものがありません。

ケース④ 大卒→中小企業+奨学金300万円

今回、一番考えさせられたのがこのケースです。

大学に4年間通う。

22歳から社会人。

奨学金約300万円。

返済は40歳近くまで続くケースがある。

それでも就職先が必ず大企業になるわけではありません。

4年間と数百万円を大学に投資した結果、
経済的に必ず有利になるわけではない。

もちろん中小企業でも優良企業はたくさんあります。

大学で学んだことが、その後の転職や資格取得、キャリアにつながることもある。

だから「この進路は失敗」という話ではありません。

でも、

「とりあえず大学へ行けば安心」

とは言えないと思います。

検証してみて思ったこと

ひろゆきさんの話を数字に当てはめてみると、

「奨学金300万円が少子化の原因だ」

とまで言うのは、さすがに単純すぎると思います。

少子化には所得、雇用、住宅費、保育、働き方、価値観など、いろいろな原因があります。

ただ、

奨学金の返済時期と、

結婚
住宅
出産
育休
子育て

の時期が重なる。

これは確かです。

そして家庭の経済状況によって、その重さは全然違う。

親が大学費用を全部出せる家庭。

実家から大学へ通える家庭。

県外で一人暮らししながら奨学金を借りる家庭。

大学卒業後に大企業へ入る人。

中小企業へ入る人。

全部違います。

だから「大学に行くな」ではない

自分は大学進学そのものを否定したいわけではありません。

大学に行かなければなれない職業もある。

うちの娘も大学へ行っています。

でも、

大学に行くこと自体を目的にするのは違うと思う。

4年間という時間。

数百万円という学費。

場合によっては奨学金という負債。

それだけのものを使うなら、

その先に何を取りに行くのか。

そこまで考えて大学を選ぶべきじゃないでしょうか。

そして話は15歳の高校選びに戻る

ここまで考えてみると、前に書いた高校選びの話につながります。

15歳で、

普通科へ行くのか。

工業高校へ行くのか。

高専へ行くのか。

企業系の学校を選ぶのか。

その時点では単なる「高校選び」に見えます。

でも実際には、

15歳 高校選び

18歳 就職か進学

22歳 収入・奨学金・職歴

28歳 結婚

30歳 出産・住宅

40歳 子どもの教育費

全部つながっている。

だからやっぱり、

高校選びの時点で、
もう将来の差は始まっている。

ただ、その「差」は偏差値の差じゃない。

どんな選択肢を知っているか。
その先まで考えて進路を選んでいるか。

という差なんだと思います。

あなたならどう考えますか?

奨学金300万円を借りても大学へ行く。

18歳から働く。

それとも大学へ行くなら、その先の仕事まで考えて大学を選ぶ。

子どもが15歳の時、どこまで先の人生を考えて進路を選びますか?

※本文中の金額は、公的統計や日本学生支援機構が示す返還例などをもとにしたモデルケースです。実際の給与、大学費用、奨学金、返済期間、福利厚生などは個人・学校・勤務先によって異なります。また、奨学金のみを少子化の原因とするものではありません。