中学生はどっちが伸びる?
「上手くなりたいなら、強いチームに行った方がいい」
バスケをやっていると、よく聞く話です。
確かにそう思う部分もあります。
でも、ずっと子どもたちのバスケを見てきて思うんです。
本当に、それだけで決めていいのかな。
例えば、こんな2人がいたとします。
一人は強豪クラブ。
周りには上手い選手がたくさんいる。
練習強度も高い。
毎日の競争も激しい。
でも、試合に出るのは3分。
もう一人は、それほど強くないチーム。
練習環境では強豪に負けるかもしれない。
でも試合では30分近くコートに立つ。
さて。
簡単そうな問いですが、僕はこれ、そんなに簡単じゃないと思っています。
環境の影響は、やっぱり大きい
まず強豪に行くメリット。
これは間違いなくあります。
毎日一緒に練習する選手が上手い。
パスが速い。
ディフェンスのプレッシャーが強い。
判断する時間も短い。
昨日まで通用していたプレーが、通用しなくなる。
周りが自主練していれば、自分もやらないと置いていかれる。
これは強い環境に身を置く大きなメリットだと思います。
だから僕は、
「試合に出られるなら弱いチームの方がいい」
とも思いません。
環境が選手に与える影響は、それくらい大きいと思っています。
でも、試合でしか経験できないこともある
一方で、試合に出ることも大きい。
30分コートに立てば、いろんなことが起きます。
シュートを決める。
ミスをする。
相手のエースを守る。
ファウルが増えて守り方を考える。
点差と残り時間を見てプレーを選ぶ。
最後の一本を任されることもある。
そして負ける。
「あそこで俺が決めていれば」
そんな悔しさを抱えて、次の日の練習に行く。
実戦で判断する経験。
これは、やっぱり試合に出なければ増えていきません。
ただし「弱いチームなら出られる」も違う
ここは勘違いしてほしくないところです。
弱いチームに行けば、必ず試合に出られるわけではありません。
弱いチームでも10人、15人いれば競争はあります。
当然、試合に出られない子もいる。
だから、
これだけでチームを選ぶのも違うと思います。
そもそも入る前から、レギュラーになれる保証なんてありません。
中学生が3年間、モチベーションを保てるか
そして僕がかなり大きいと思っているのが、
モチベーションです。
強豪に入った。
最初は当然、
「絶対試合に出る」
と思って頑張るでしょう。
でも、半年経っても出られない。
1年経っても数分しか出られない。
毎週試合には行くけど、自分はほとんどベンチ。
それでも13歳、14歳の子どもが、
「この環境で絶対に上手くなる」
と思い続けられるのか。
もちろん、それを力に変えられる子もいます。
悔しさをバネにして、上の選手を追い抜く子もいる。
でも逆に、
となってしまう子もいると思います。
試合に出て、シュートを決めて、失敗して、また練習する。
それが楽しいから、また自主練する。
上手くなるから、もっとバスケが楽しくなる。
この循環だって、選手を成長させます。
うちは、弱いチームも強豪も経験した
我が家は、子どもたちを通していろんな環境を経験してきました。
決して強くないチームでプレーした子もいます。
強豪と言われる環境でプレーした子もいます。
そして、それぞれの環境でレギュラーとして試合に出てきました。
だからこそ、
「弱いチームで試合に出る方が正解」
どちらか一つには、僕は決められません。
実際に両方を見てきたからこそ、それぞれに良さがあると思っています。
そして、それぞれに難しさもあります。
一番先に聞くべきなのは「本人はどうなりたい?」
結局ここに戻ってくるんだと思います。
親が、
「このクラブが強い」
「この指導者が有名」
「こっちなら試合に出られそう」
と考える前に、
そして、どうなりたいのか。
ここじゃないでしょうか。
全国を目指したい。
高校でも高いレベルでバスケをしたい。
上手い選手と毎日練習したい。
とにかく試合に出たい。
自分でボールを持って勝負したい。
仲間と3年間楽しくバスケをしたい。
全部違います。
でも、どれが正しいという話でもない。
目標が違えば、選ぶ環境が違うのは当たり前です。
そして、強豪を選ぶなら「覚悟」もいる
小学生のときにエースだった。
ずっと試合に出ていた。
それでも強豪に行けば、ベンチになる可能性があります。
自分より上手い選手なんて、いくらでもいる。
そこで、
「それでもここでやりたい」
「試合に出られなくても追いつきたい」
「この選手からポジションを奪いたい」
と思えるのか。
本人にも、ある程度の覚悟が必要だと思います。
そして実は、
親にも覚悟がいる。
子どもが試合に出られない。
親としては、そりゃ面白くない。
「なんでうちの子を使わないんだ」
と思うことだってあるでしょう。
でも、競争の激しい環境を本人と一緒に選んだのであれば、出場時間まで約束されているわけではありません。
そこで親がどこまで見守れるか。
これも強豪を選ぶときには考えておいた方がいいと思います。
ただし「覚悟」と「我慢」は違う
ここも大事です。
一度選んだんだから3年間絶対に辞めるな。
それが覚悟だとは僕は思いません。
実際に入ってみないと分からないこともあります。
指導方法が合わない。
人間関係が合わない。
本人が目指したい方向が変わった。
バスケそのものが嫌いになりそう。
そんな状態なら、
覚悟を持って選ぶことと、合わない環境で我慢し続けることは別です。
「どこが強い?」より先に考えること
強いチームに入れば上手くなる。
弱いチームなら試合に出られる。
そんなに単純ではないと思います。
練習する環境。
試合に出る時間。
モチベーション。
本人が目指しているもの。
そして、その選択に対する覚悟。
全部を見て考える必要がある。
僕自身、子どもたちを通して強いチームも弱いチームも見てきました。
だから「ここに行けば正解」なんて簡単には言えません。
むしろチームの勝敗表を見る前に、
一度、子どもに聞いてみてもいいんじゃないでしょうか。
強豪のユニフォームを着ることが目的なのか。
試合に出ることが目的なのか。
それとも、その先に「なりたい選手」がいるのか。
チームを選ぶのは、その答えを聞いてからでも遅くないと思います。
強豪で3分。
弱いチームで30分。
もし自分の子どもだったら、どちらの環境を選びますか?
そして何より、
子ども本人は「どうなりたい」と言っていますか?