ロッカーとアイドル | basser-t-0407さんのブログ

basser-t-0407さんのブログ

他になあぁ~んにもする事がない時、お立ち寄りください。

こんばんは。

関東は大荒れの天気。低気圧のせいか頭痛に見舞われている者です。

さてと、ひと月以上前にポチったCD、まずザ・ストライプスの2015年の日本公演のライヴ。
ハコは小さくて、オーディエンスの声が近くに聞こえる。もっともミックスでいじられてるんだろうから、聞かせるための歓声でしょうけど。抑え過ぎると臨場感を削ぐんだろうし。

演奏はカッコいい。めっちゃドライヴしてる。イキがいいですね。ラフさにも当然ながら若さが炸裂してる。
ブルースロックが好きだ!というバンドの方向性がまんま出てて、音はとにかく「外へ外へ」な感じ。決して「内へ」でなく。
トラックごとにフェイドアウトして曲間に「切れ目」があるのが残念。それぞれの曲が長くないですからね。1本のライヴになるように繋いでくれるとよかったなー。

んでラストアルバム。
初のカラー写真を用いたジャケット。
1曲目、いきなりの明るさにちょっと驚き。ザ・ジャムのパンキーでない部分を思い出した。

ギターのコーラスとフェイザーは聴き手の好みが分かれそうだけど、アルバムを通して聴けば、いかにもレスポールらしいぶっとい音もあるし、セミアコとおぼしき音もある。トーンにも気を遣ってる。フロントピックアップの甘い音やらもろファズのモコモコ音やら。

今回オルガンが随分前に出てきてるなー。
5曲目でブルースハープ大活躍。嬉しい。
あら、次の曲ではサックス登場。なんか垢抜けない感じを受けるのはオイラだけ?
その次のSE入りの曲はオイラ退屈。長く感じたけど、前の曲と変わらないトラックタイムでした(笑)。
アコギメインでの抒情的なトラック12。これ好きだなー。短いけど。
日本盤(デラックスエディション)はボーナストラックが5曲も付いてて、すんごいボリューム。そしてボーナスの方になんか彼ららしい曲が。そのラストはトラック6のライヴヴァージョン。サックスはなし。こっちの方がいいぞ。

たしかにバリエーションに富んだ、カラフルなアルバムだと思います。でもその分彼らの核の部分が見えにくくなってる気がする。
疾走感のあるブリットポップっぽさは前に出てるけど、腰を落としたブルージーさは薄まった、というような。

ずっと同じことをしていればマンネリと言われるし、変化を受け入れるファンばかりではないし、音符の順列組み合わせには限りがあるし。
音楽を続けるって、本当に大変なことなんだってつくづく思います。
「やり尽くしたから解散」という彼らの言葉は本音なのでしょう。
3回聴いてから日本盤のライナー読んだら、彼らがこのアルバム作るに先立って聴いてたというアーティストたちが挙げられていて、納得したようなしないような複雑な気持ちになりました。

‥‥先日、6、7年前に録画したままだったBS-TBSの「Song To Soul」を観てたら、その中にベイ・シティ・ローラーズの「サタデイ・ナイト」を取り上げた回があった。
これってビルボードで1位取ってるんだよねぇ。今更ながら。TOKIOがオリコンで1位になるのとは訳が違いますからね。

番組ではローラーズの来歴も紹介してたけど、出演してインタビューに応じた元メンバーは、脱退した初代ヴォーカルとほんの数ヶ月しか在籍してなかったパット・マグリンの2人というのがなんとも…。
オリジナルメンバーはもともと「ちゃんとした」バンドをやりたかったのに、契約したレコード会社とマネジャーは彼らの演奏力を認めず、レコーディングはスタジオミュージシャン、楽曲はプロ作家の書いたもの。カヴァーする曲を発掘するスタッフのセンスはよかったみたいね。「バイバイ・ベイビー」や「二人だけのデート」。

若い人たちは知らないでしょうけど、1976〜8年の日本での「ローラーズブーム」って物凄かったんですよ。
「バンド」や「アーティスト」としての評価はともかく外タレとしての人気は、もしかしたら過去来日した中で一番だったのではないですかね。
ビートルズの洗礼をちゃんと受けていたはずの同級生の女の子が、「レスリー、レスリー!」って失禁しそうにトチ狂ってたもん(笑)。昨今のジャニタレどころの騒ぎじゃございません。
彼らは「サタデイ・ナイト」が全米1位になるくらいだから本国イギリスでも絶大な人気で、ここ日本でもたくさんのヒット曲がある。
「ライヴ」はテープで音源流す当て振り、レコーディングはスタジオミュージシャン、という事実はよく知られていて、ロック少年は「ケッ!」でしたけれど、あれだけ売れれば中坊だったオイラの耳にもきっちり入って来て、記憶にしっかり刷り込まれてます。
そう、懐かしのヒット曲。
かつてのグループサウンズやカーペンターズを聴くように、ベイ・シティ・ローラーズを聴いてみたくなり、Amazonで検索すると、
こんなのがあった。初期(=全盛期)のアルバム5枚のBox。輸入盤だから歌詞カードやライナーとかはなし。
でもね、2,062円。やっすいでしょ。CD5枚ですよ、ダンナ。
再販制度で企業を潤す国内盤がいかにぼったくってるかが分かる。
ついでにポチったのが、
モンキーズの初期アルバム5枚組Box。輸入盤なので同じく歌詞・ライナーなし。
こちらは2,586円。
2セットCD10枚が5,000円足らずですよ、ダンナ。
再販制度で企業を潤す国内盤がいかに…。

ザ・モンキーズは、アメリカのテレビ局がビートルズのアイドル的人気の部分に乗っかってひと稼ぎしようと、テレビドラマ内でのバンドとしてオーディションで「でっち上げた」グループ。
企画はまんまと当たり、ヒット曲もたくさん。4人のメンバーのうち、もともと音楽やってたのは2人だけ。レコーディングはスタジオミュージシャン、ライヴでの演奏シーンは当て振り。
それでも3枚目のアルバムだけは、彼らの意地で自ら演奏し録音したとか。で、それが売れなくて、次のアルバムからはまたスタジオミュージシャンの演奏に戻ったという哀愁漂うグループ。

まだ聴いてみてないけど、件のサードアルバム、実に楽しみです。

楽曲を生み出し、バンドとしてアーティストとして音を追求し発信するグループ。
バンドとして世に出たかったのにプレイヤーとしては認められず、しかしアイドルとしてのヒット曲には恵まれたグループ。
そもそもメディアの企画で組まされ、ヒット曲を出しアイドルとして成功したグループ。
オイラ自身が黄昏にあるせいか、ミョーにしみじみしちまうぜ。

次はデビューアルバムしか聴いたことのないザ・ナック辺りを聴いてみようかな。
2枚目以降もいいアルバムだといわれてるようですね。

そういえば1977年の春、ローラーズブームに乗っかれとばかり英米からこぞってアイドルバンドがデビューしてたけど、みなさんその後どうなったんだろう。