紅葉も多くの地域で終わりを迎え冬本番だ。釣りも渓流はとっくに禁漁になり多くの淡水域でも魚は釣れないか釣りにくくなる季節だ。以前このブログでも触れたが冬の釣りはもう懲り懲りだ。釣れない上に釣れないとただ寒いだけで(;^_^A。スカパーの釣りビジョンではさぞ冬でもバスが釣れるかのような企画をやっているが腕があれば確かに釣れるだろうが確率は低いと言わざる得ない。冬の釣りはもう懲り懲りということで、その後は冬は時々川を覗きに行く程度で済ませていたが覗いてもいるのはコイかニゴイぐらい(しかも少数)で魚の気配は箕臼だ。川によっては覗いても全く魚が見られない所もある。やはり天然水域は冬は釣りはシーズンオフという印象が強い。ただし近年霞ケ浦や北浦では冬でもスズキが釣れるという。もちろん数は春から秋と比べたら釣れないだろうが。またフナも越冬するため温度変化の少ない場所に集まるため冬でも釣れるというしタナゴ類も水温変化の少ない船留やホゾに集まるため冬が釣りやすいと言われる。そう考えると全く釣り自体が出来ないわけではないが一番は冬の寒さに人間自身が耐えられるかだろう。これは釣り全般に言える共通の過酷な問題と思う。釣りでは夏の過酷な暑さと冬の過酷な寒さこそ最大の難敵と断言していい。冬であれば午前中の陽が高くなったあたりから午後の3時ぐらいあたりが釣りが成立する時間帯だと個人的には思う。ルアー釣りも冬はとにかくバスであれウグイであれとにかくルアーを追わない。追わせて釣るのではなくいかに食わせるかの釣りだと思う。何しろ元々エサ釣りより不利な釣りだからただでさえ釣れない冬での釣りはさらにハードルが高い。ギルやカワムツのような夏にエサ釣りで大爆釣する魚も冬はエサ釣りでも完全に沈黙する。ギルやカワムツが大繁殖しているか多数を占めている水域でさえそうなのだ。そしてあれほど多数の数が見られた水域ではギルもカワムツもその姿は箕臼だ。しかし冬に川に行くと数こそ少ないもののコイとニゴイは良く見かけた。この二種よほど低温にも強いと見え冬でも活性が高いようで人の気配を察するとスッと深場や物陰に逃げていく。ニゴイはルアーで何匹も釣ってきたしコイもヒガイ釣りの外道でよく釣れてきたが狙って釣ったことはまずない(笑)。どうも釣魚としてあまり魅力を感じなかった(笑)。ただし私の幼年期はルアー釣りは今ほど普及していなかったので釣りと言えばエサでのコイとフナで本命はコイだった。当時からコイは大物釣りの象徴だった。これもこのブログで触れたが以前住んでいた自宅前の水路にコイやフナが遡上してきたので手軽に狙える魚だった。ただし釣れるのはフナばかりでやはりコイは用心深いのかなかなか釣れず釣れたのは一匹だけだった。この水路で釣れるフナの最大サイズは24~25㎝ほどでコイも最大で50㎝ぐらいで、やはり水路という小規模の環境であることで大物とか巨大魚は存在しないが手軽に釣りができたこととすぐ近所に個人商店の釣具店があったため(今はこの店はない)釣りエサや道具が容易に買いに行けたことで非常に釣りをやりやすかった。まさに手軽に釣りができたのだ。ちなみに自分が釣ったコイの大きさは27㎝(よく大きさを今も覚えていると自分でも感心する・笑)で決して大きくはないがフナと違いなかなか釣れない魚であったこととフナとは明らかに引きが違うことと、ここで釣りをしている人の多くもコイはなかなか釣れない魚であり、この一匹が釣れた時の嬉しかったことは今も記憶に残っている。体高が低くいかにも野鯉らしい体形とやはり掛かった後のフナ以上の引きが今も忘れられない。今も昔もコイは大和鯉(養殖鯉・放流物)ではなく野鯉に価値があると思っている。ただ残念なのは近年琵琶湖のコイ以外は外来種ということが判明したことで古来より生息していたものではないということ。しかし書籍によっては琵琶湖・淀川水系、四万十川、関東平野は古来より生息していたとされる。おそらく近年の研究により琵琶湖以外のものは外来種ということが判明したのだろう。古くから身近な魚として親しまれてきた鯉だが外来種だったというのはちょっと残念だ。ただし幼年期に釣った鯉は今も強く印象に残っている、バスもルアー釣りもまだ周りに存在しなかった時代コイは淡水域での釣りでの一番の主役だった。その後のバス釣りブームによりバス以外の魚もルアーで狙う人も珍しくないが、ただコイをルアーで狙う人はまりいないようだ。むしろフライで狙う人の方が多い。聞けば大物は警戒心が強くエサ釣りでもなかなか釣れないがフライではさらに釣るのが難しいという。以前Yahooのブログをやっていた頃に他県在住のフライフィッシャーマンだったが90㎝ぐらいは釣れてもメーターは警戒心が強く今だ(当時)釣れないとのコメントだった。ルアーでもコイが釣れるのは珍しくはないが大物(メーター)はエサでもルアーでもフライでも釣るのは難しいと言えるのかもしれない。そして本当に価値あるコイの一匹は日本では古来より琵琶湖にしかいなかった唯一在来の「琵琶湖産のコイ」だけかもしれない。

 

ルアー釣りが普及しておらず一般的ではなかった幼年期の釣りと言えばフナとコイであり特にコイは主役だった。その後ルアー釣りをするようになってからルアーで釣れたことも。

コイは古来より食のため各地で盛んに放流され今や山上湖から渓流に近い水域から汽水域に街中のドブ川にまで見られる。環境悪化にも強く川底がヘドロ化してメタンガスが出ているような環境にも生息する頑健魚。いない所はないと言っていい魚だがメーターを超えることもある魚であるため昔から身近な手軽な大物狙いの対象魚として淡水域の釣りで人気があった。ただしコイ釣りをするいわゆるコイ釣りに精通している釣り人の狙いはあくまでも大和鯉(養殖物・放流物)ではなく野鯉だと言われる。聞けばメーターを超す個体の多くは野鯉だという。言われれば当然かもしれない。警戒心が強く、それまでなかなか釣られることも捕られることもなく生き延びて巨大化できたのは人間の手によって作られた大きさではなく「釣られず捕られず外敵に捕食されず」に成長できたからこそ大きくなれたわけで、そう考えるとメーター超えのサイズのコイを釣ることもロマンのある釣りかもしれない。ただし個人的には日向ぼっこして釣るような釣りのスタイルが好きではないので釣るならそのようなサイズのコイをルアーで釣りたいと思う。故・西山徹氏によれば東京都を流れる多摩川ではコイはミノーで良く釣れるという。タレントの中本賢氏の話でも多摩川で捕れたコイを解剖して調べたところ大量のアユが出てきたというからミノーで良く釣れるのも当然かもしれない。ただしコイは魚食性の魚ではないためアユばかり食べているはずはなく水質が改善してアユの遡上が急増したことが大きいこととコイが何でも食べる食性が関係しているのだと思う。釣り番組の中でもバス狙いで掛かることから魚類も捕食することは明らかだが必ずルアーで釣れるわけではない。個人的な経験ではバス狙いや他の魚種をルアーで狙っていて釣れたことはないし何を投げても釣れない時に目に入ったコイを仕方なく遊び半分ではあったが狙ってルアーを投げてみたこともあったが全く反応しないかルアーが目の前に来ると逃げて行くこともあった(笑)。以外にルアーで釣るのは難しい魚なのかもしれないし期待していない狙ってもいない時に掛かる魚なのかもしれない(笑)。

 

公園の池や街中の堀などに「馬鹿の一つ覚え」のように安易に放流されるため見ないことはないほど身近な魚。