愛犬と日向ぼっこ。 -4ページ目

愛犬と日向ぼっこ。

みんなで、たのしく、いつまでも。

新年になって10日以上経ってから

やっと建設タイヤで出動です。

 

今日までいくつか依頼があったのですが

私に出番が回ってこなくて

モヤモヤしてました。

 

今日の機械はこちら

コマツのWA320

タイヤサイズは20.5-25です。

 

この車両、

最近パンクが相次いでいます。

 

左前と右後がパンクしていました。

鉄筋が刺さってました。

 

ここは再生合材を扱っているんですが

鉄筋が入っているので

注意してても踏んでしまうんです。

 

こういうプラントでは

普通のタイヤではなく

L-5という深溝のタイヤを使うべき。

 

普通溝のL-3のゴムの厚さを100とすると

深溝のL-4は150%、

超深溝のL-5は250%にもなります。

 

タイヤは高くなりますが、

何度もパンク修理するような車なら

すぐに元が取れちゃいます。

今日のタイヤは

畜産業で使われてる

ミニローダーのタイヤ。

 

空気が抜けるので

修理してほしいとのことなんですが・・・

分かりますか?

 

 

 

バッキバキに

ひび割れてます

 

このタイヤをバラス時なんか

コード見えちゃってて、

チェンジャーのマウントヘッドで

裂けるんじゃないかと思ったくらい。

 

これでもインナーが破れてないので

使えると言えば使える・・・。

 

 

漏れていたのは

ホイールのリム部分が錆びて

エア漏れしていたからで

リムの研磨と防錆塗装

並びにビードシールを塗布して

漏れは止まりました。

 

バキバキのサイドウォールも

エア漏れは見当たらなかったので

修理完了。

 

タイヤからはもう寿命だよという声が

聞こえてくるんですが

もう少し頑張ってもらうしかありません。

 

 

ちなみに、5.70-12の空気圧は

4PRも6PRも60PSIらしい。

kPaに換算すると、約7倍で420kPa。

4PRでそんなに入るのか?

 

そんなに入れたら爆発しそうなので

2.5キロ入れてお渡ししました。

 

以前に5キロ超えてもビードの上がらない

モトクロスのタイヤってのがありましたが

こういうリスクの高いものは無理せずに

安全な範囲で作業するということが

事故を防ぐうえで重要です。

 

なお、お客様には

そろそろ新品タイヤへの交換をと

お伝えしておきました。

群馬県でまたタイヤ脱落事故が

発生してしまいました。

 

歩行者にタイヤが直撃し、肋骨を折る重傷。

 

 

命が助かって良かった。

 

なにせスチールホイールのセットだと

タイヤ60kg

スチールホイール40kg

合計100kgにもなります。

 

それがすごい速さで飛んでくるんだから

下手すれば死にます。

 

 

 

 

タイヤ脱落事故が何で減らないのか、

自分でもよく考えておかないと

明日は自分が当事者になるかもしれません。

 

その際に

考慮しておかなければいけないのが

それに影響を及ぼした転機です。

 

 

 

 

昔はみんなJIS方式での締結でした。

インナーとアウターの各ナットで

締結するタイプ。

 

その頃のタイヤ脱落事故は

2002年の段階では、年間11件

2003年では同28件と

低調に推移していました。

 

しかし、2002年の11件の中には

今後大きな影響を与えることになる

横浜母子3人死傷事故が含まれています。

 

 

急激に増えてしまったのが2004(H16)年。

87件のタイヤ脱落事故が報告されています。

 

↓関連リンク

 

なぜこんなにタイヤ脱落事故が

増えてしまったのか?

 

それは、先ほど述べた

横浜母子3人死傷事故の原因となった

三菱のリコール隠しが顕在化したのが

この年だったからだと思われます。

 

 

面白い話があって

マクドナルドで、2015年に起きた

異物混入騒動。

ビニールやら人の歯やら、

1月に最初の報道がされて以降

出てくるわ出てくるわ。

 

それまでのクレーム件数に比べて

数十倍に膨れ上がったということなんですが、

調査した結果、かなりの数が

混入経路不明の異物

だったと語っておられました。

 

どこで入ったか分からない、つまり

後から入れた可能性もあるということです。

 

何かを得るために、異物混入事件を

「創作」した輩も少なからず居たのでは

ないでしょうか。

 

 

それと同じ理由かどうかは分かりませんが、

2004年の増加数は明らかに異常です。

 

 

 

 

脱落事故の大幅な増加を受けてなのか

2007年4月から、改正自動車点検基準に

総重量8トン以上のトラック、

定員30人以上のバスは
日常点検においては目視や

点検ハンマなどを用いての点検が、
また、

3か月点検以上では、

ホイールナットの締付トルク管理が

明記されました。

 

 

 

2004年をピークに、タイヤ脱落事故は

徐々に減り続けていきました。

 

改正自動車点検基準が功を奏したとは

思えません。

各業者はやり方仕方を変えたわけではく

今まで通りのところがほとんどだからです。

先述の変な輩が居なくなってきたのが

実情のような気がしないでもありません。

 

 

 

しかし、2010年春、

大きな変革がありました。

総重量12トン以上の新車が

一斉にISO方式の締結に切り替わったのです。 

 

すると、車輪脱落事故発生件数は、

2011年の11件を底に急激に増加に転じ、

2020年には、なんと

131件にも上ってしまいました。 

 

↓国交省 車輪脱落事故発生状況 資料

https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001370254.pdf

 

↓資料 国交省 脱落防止WG中間報告

https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/images/t2-1/WGchukan.pdf

 

脱落した部位が、

平成16年調査では左後輪63%、

右後輪35%であったものが

平成30年調査では左後輪91%

令和1年調査では左後輪96%

明らかに左後輪が上昇しています。

 

平成16年調査の頃のJIS方式は

内側のホイールはインナーナットで

外側のホイールはアウターナットで

それぞれ締結し、

また、進行方向左側については

逆ネジを採用していました。

それでも6割超が左後輪だったのは

道路勾配の影響、右左折時の

左側タイヤへの負担増によるものと

思われます。

 

対してISO方式は、上記の勾配、

右左折時の負荷に加え、

ただの平座金とナットの組み合わせで

JISのような緩み止めの効果が全くないこと、

また、左側も正ねじなので、

ナットへのモーメントが

緩む方向にかかってしまうこと等々

緩む要因は枚挙にいとまがありません。

 

 

 

 

私が思うに、

多分、脱落事故は防げません。

 

なので、ナットインジケーターや

チェックリンクなどの

目で見て分かる道具を

義務化してしまうのが有効だと思います。

 

作業する人間からすれば

特にチェックリンクは

取り付け、取外しが大変なので

困っているのですが、

確実な有効策は

異常が

手間をかけずに

見ただけで分かる、ということですから。

 

我々の手間も

安全のためには仕方ありません。

 

 

 

ただ、

インジケーターも

チェックリンクも

見た目が悪すぎるので

おしゃれの好きなドライバーさんからは不評。

 

ドライバーさんにとっては

トラックのカスタマイズも大事な要素です。

 

今後映える製品が出てくることを期待します。