すコロナで2020年の日本経済も世界経済(平均)も、おおよそ5%位縮小しました。
なぜ、経済が縮小する中で株価が上がるのか?
時々、「将来への期待から株価が上がった」という報道がありますが、そんなことはありません。それは例えると、「今日は機嫌が良いから冷蔵庫を2つ買おう」ということと同じようなものです(極論ですが)。消費は「気持ち」で動くのではなく、「財布」で動くのです。
また、よく「株価は経済の鏡」と言ったりしますが、それは正確ではなく、正しくは「株価は企業の鏡」です。
コロナ禍で株価が上がった理由は2つあります。
1. 低金利 借入をしている企業にとって、金利が下がることはコストの大幅な低下につながります。特に大手日本企業は海外での借入を積極的にしているため、海外金利の低下により、コスト減→利益増→株価上昇、となります。
2.政府からの手厚い補助金 今回、企業には兆円単位で補助金が支給されています。これも利益増→株価上昇、となります。
上記1.も2.もいずれも家計から企業に所得移転が起こった、ということです。金利が下がったら得をするのは企業ですが、損をするのは家計です。普通の経済なら、100万円預金したら毎年数万円利息をもらえるのに超低金利だともらえませんよね。悲しくないですか?
また、政府が企業を支援した結果の財政赤字は将来、誰が払うんですか?家計です。法人税の過剰な低さと個人所得税の高さから、政府が支出すればするほど家計は損をします。「所得税+消費税」の金額は「企業の法人税」の4〜5倍程度です。
株で儲かった訳ではないのに、株価が上がって喜んでる人がいますが、「政府・日銀の活動により、家計から企業に所得移転が起こった」理屈を理解していないと思われます。
経済のセクターは、家計、企業、政府、で構成されています。
経済全体が縮小する中で企業が儲かる、ということは、家計は相当「割りを食っている」ということです。
法人企業統計でも、企業の売上はコロナ前を回復しておりません。トヨタの自動車販売台数も昨年は5%くらい落ち込みました。売上が減るのに利益増で株価は最高値更新、という背景は上記の通りです。
なお、今後について、注意点がいくつかあります。
まず、上記の1.も2.もコロナ「だから」実施されたものであり、コロナが終息したら継続が難しいものです。
つまり、コロナが終息したら株価が上がる、のではなく、コロナが終息したら株価は下がる可能性が高いです。
次に、2020年はコロナにも関わらず、世界的に倒産件数が大きく減りました。これは潰れてもおかしくない企業が延命しているだけですので、コロナが終わって政府支援が終わったら倒産は増加しますので注意が必要です。政府・日銀は、そうならないよう、手を変え品を変え、延命策を繰り広げていますが、問題が単に先送りとなってしまうのではないかと心配です。
最後に、世界各国の法人税引き上げや富裕層所得税増税も(実現されたら)所得移転の巻き戻しを意味しますので注視する必要があります。