絵本 “The Spider Weaver” | 日本でガーナ・ライフ

日本でガーナ・ライフ

ガーナ人の夫との生活の中でアフリカっぽいものを見つけたり作ったりしながら、和ガーナ折衷の日々を過ごしています。

動画月間(笑)最終回は、

ケンテやAP(アフリカンプリント)布に

関する動画を見ていたときに

YouTube からお勧めされた絵本

「The Spider Weaver」

ケンテの由来を描いた本です。

 

ストーリーも素敵なのですが、

絵がとても美しいです。

 

 

 

 

 

英語で書かれているので、日本語に訳してみました。

 

 

 

『クモの機織り職人』

 

spider weaver 1

昔々、ガーナ国にあるアシャンティのボンウィレ村に

2人の優秀な機織り職人がいました。

ひとりは、ナナ・コラグ、

もう1人は、ナナ・アミヤウと呼ばれていました。

 

2人は「ンウェントマ(手織り)」という

シンプルな布を織っていました。

王様から質素な見習いまで

全ての人たちがそれを身に着けていました。

 

 

 

spider weaver 2

ある晩遅く、コラグとアミヤウは、アシャンティの大きな森へ

グラスカッター(アフリカタケネズミ)など動物を捕るために

仕掛けておいた罠を見に行きました。

持ち帰って、ローストにするのです。

 

その夜は、3つの罠全てにグラスカッターが

かかっていました。

彼らは、感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

 

 

spider weaver 3

コラグとアミヤウが家に帰る途中、

アミヤウが突然立ち止まりました。

彼のランタンの光は、夜空に輝く月光のように

素晴らしい光景を照らしました。

 

「友よ、来て見て」アミヤウはコラグに囁きました。

「小さな奇跡が見えるよ」

 

 

 

spider weaver 4

小さな奇跡とは、実際はクモの巣でした。

しかし、2人ともそのような素晴らしいデザインを

今まで見たことがありません。

それは1本の丈夫な糸で編まれていたにもかかわらず

その糸は人の髪の毛より細かったのです。

 

「この宝物を持って帰って調べてみようじゃないか」

コラグがアミヤウに囁きました。

 

 

 

spider weaver 5

アミヤウは、気をつけながらクモの巣を

元あった場所からバナナの木へと移しました。

しかしそのさなか、クモの巣は壊れ

指にくっついてしまいました。

 

「あぁ、壊れちゃった!」コラグが叫びました。

「こんな美しいデザインの織り方を

どうやって学んだら良いんだ?」

打ちひしがれて、機織り職人らは家路につきました。

彼らの発見は永遠に失われてしまったのです。

 

 

 

spider weaver 6

夜明けに2人が村に入ると

アミヤウの妻、アフィアが迎えに出てきました。

アフィアは冷たい飲み水が入ったヒョウタンを

2人に差し出しました。

 

 

 

spider weaver 7

2人がひと言も話をせず食事をとっていたので

アフィアは何かおかしいと感じました。

「どんな問題があるのか教えてちょうだい」

アフィアは言いました。

夫は悲し気に「とても美しい巣なんだ」と言いました。

「調べるのに森から家に持ってこようとしたら

手の中で崩れて駄目になってしまった」

 

「同じようなものが他に見つかるとは思わない?」

静かにアフィアが尋ねました。

コラグは疑わしく思っていました。

「この巣は全然違うんだ。 全く特別なんだよ。

同じ巣を紡ぐことができるものなんてあるはずがない」

「あなた方に起こったことは神の祝福だったのかもしれない」

アフィアはやさしく言いました。

「もう一度同じ巣を見つけられなくても

同じ紡ぎ手なら見つかるんじゃないかしら」

 

 

 

spider weaver 8

そこで、コラグとアミヤウは、そうすることにしました。

翌朝早く、彼らは藪の中にどんどん入って行きました。

 

背の高い綿の木やパパイヤの木を過ぎ

二人はあの特別なクモの巣があった

バナナの木を見つけました。

 

 

 

spider weaver 9

確かに、彼らの前に作り始めの新しい作品がありました。

すぐに細く黒い足が陰から現れると

絹の糸の上で軽やかに静止しました。

 

コラグとアミヤウははっきりと

その生き物を見ることができました。

クモの巣を紡ぐ師は、黄色と黒の美しく大きなクモでした。

 

 

 

spider weaver 10

そのクモを見るとすぐ、前夜その華麗なクモの巣を

崩してしまった恐ろしさを感じました。

今、その巣が美しいクモの家だとわかったのです。

彼らは巣を持ち帰りたい強い気持ちで、互いを見合いました。

しかし2人とも今回はクモの家を壊したくなかったのです。

彼らが帰ろうとすると、クモは真っすぐに彼らを見て

糸紡ぎのダンスを始めました。

 

 

 

spider weaver 11

糸をくぐる! 寄り合わす。  回ってすべる。

クモは巣の上を渡ったり戻ったりして道をつくりました。

女性が踊るように、上品に、そしてとても優雅に動きました。

 

クモは午後になってもずっと動き続け、機織り職人たちも

クモの動きにずっと見とれて立ちつくしていました。

夕暮れ時に、疲れて、しかし満足して

クモは、作品を完成させました。

 

 

 

spider weaver 12

クモは巣の横から端へと移動しました。

しかし、影へと消え去る前に、アミヤウとコラグの方を向きました。

そのわずかの間、確かにクモは彼らに微笑んだのです。

 

そしてまばたきする間に、クモは行ってしまいました。

美しいクモは、機織り職人らに新しく複雑なデザインの

紡ぎ方を見せてくれていたのです。

なんて素晴らしい先生だったのでしょう。

なんて素晴らしい贈り物をくださったのでしょう。

 

 

 

spider weaver 13

彼らはたいへん喜んで、村に戻りました。

そののち、2人は機織り機を作り変え、

クモの機織りダンスを真似できるようになりました。

最初はクモの模様を黒と白の糸で再現しましたが、

間もなく彼らは糸を明るい色に染め

様々な新しい模様を自分たちで作りだしました。

そしてこの新しい織物に「ケンテ・ンウェントマ」と名付けました。

それは今日では一般的に「ケンテクロス」と呼ばれています。

 

 

 

spider weaver 14

村の誰もがこの新しい布を身に着けたいと思いましたが

最初はアシャンティの王様だけが、

特別な場合に身に纏いました。

そして時が経つにつれ、他の人々にもこの新しい布を

身に着けることが許されました。

 

ほどなく、2人の機織り職人は

ガーナ中で知られることと なりました。

そして クモの寛大な贈り物のお陰で、

今日、世界で着られているデザインや模様を

彼らは 作りだしたのです。

 

 

 

 

 

やしの木 やしの木 やしの木 やしの木 やしの木

 

絵本だと思って、甘くみてたら

翻訳大変でした 滝汗

何年振りかに本棚の辞書を引っ張り出して

ダンナにも色々教えて貰って

奮闘すること2日あまり!

自分のボキャの少なさを実感させられました 爆弾

 

少々の不自然な日本語訳は許してね。

それと、間違いがあったら教えてください。