<東日本大震災>救援物資輸送に全力…
「買い占めやめて」
政府は東日本大震災の被災地への救援物資の収集・輸送に全力を挙げている。
緊急災害対策本部の17日午前0時現在のまとめでは、16日中に各地の避難所などに
到着したおにぎりやパン、即席ラーメンなどの食料は約60万個で、15日までの5日間に
届けた約87万個に匹敵、さらに約155万個を輸送中だ。
16日からは対応を自衛隊に一元化し、効率化を図っている。
枝野幸男官房長官は17日午前の会見で被災地以外での物資買い占めに懸念を表明。
「全国的には物資は不足していない。全国の皆さんが冷静に対応すれば、その分を東北に
送れる。国民は冷静に行動していただけると信じている」と述べ、被災地に届ける物資や
燃料のスムーズな調達のため、買い占めを控えるよう呼びかけた。
被災地では水、食料、毛布、燃料がいずれも不足しているが、道路は寸断され空港や港も
津波で壊滅的な被害を受けており、輸送は難航している。
枝野氏は17日の会見で「相当数のタンクローリーが現地に向かえる状態で動き出していると
業界から報告を受けた。(東北大出身の)私も冬の寒さを知っている。全力を挙げているので
もうちょっと待っていただきたい」と避難住民らに理解を求めた。
被災地で特に要望が強いガソリンや灯油などの燃料は既に130万リットルを届け、さらに
180万リットルを輸送中。
警察庁は16日、燃料を運ぶタンクローリーの東北自動車道通行を容易にするため、許可証
発行の手続きを簡素化した。
自衛隊は、津波による泥や倒木で使えなかった航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)の
滑走路復旧を15日に終え、同基地を当面の輸送機受け入れの拠点とする。
政府の緊急災害対策本部のまとめでは、16日中に被災地に届けられたのは食料のほかに
飲料水約83万本(計約110万本)、毛布1万2000枚(計約21万枚)、おむつ2万枚(計3万枚)、
仮設トイレ470個(計600個)など。
さらに飲料水72万本、おむつ約5万枚、仮設トイレ810個が輸送の途上にある。
こうした物資の輸送は自衛隊に一元化されており、都道府県が地方自治体や民間企業からの
救援物資の受け入れ窓口になり、各地の自衛隊駐屯地に引き渡す。
枝野氏は17日午前の会見で「救援物資を提供したい市町村や民間は都道府県に連絡を」と
述べた上で、個人による提供は「市町村におたずねいただきたい」とした。
また、枝野氏は「生ものや腐りやすいもの、日持ちしないものはご遠慮いただきたい」と話した。
