19.ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命 | Bitter Sweet Days Again!

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人生楽しく、備忘録

まだまだ知りえぬ偉人がたくさんいるけれど

映画はその存在を教えてくれるから、ありがたい。

ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命

ナチスの迫害から守るため、チェコのユダヤ人の子供たちを

イギリスへ移送したニコラス・ウィントンという人道活動家のお話です。

 

こういう映画を見ると、いかに自分がダメダメだということを思い知らされます。

口先では何とでも偉そうなことを言えるけど、それだけじゃだめ。

そう思うなら実践しないと。動かないと。

でもきっと大多数の人は、動かない。動けない。

だからこそ、このニコラス・ウィントンの偉大さを感じます。

 

イギリスで、見も知らない子供たちを引き受ける人々も素晴らしい。

そして自分自身の危険も迫っているのに、せめて子供たちは助けたいと思う親心。

手元に置いておきたいけれど、子供のためにあえてイギリスへ送り出す

ユダヤ人の両親の心を思うと胸が痛い。

残った親たちは、ほぼナチスに捕まりその後は想像に難くない。

 

669人の子供を救ったニコラスだけど、決してその結果に甘んじず、

さらに救えなかった子供たちに対する罪の意識が消えないって、、本当になんという人なのでしょう。

全世界の人たちが、こういう気持ちを持っていたら

戦争などきっと起きないに違いないと思います。

 

私は結構ホロコースト絡みの映画に興味があり、鑑賞する傾向があるのですが

いつも見て思うのは、私が当事者でユダヤ人だったらどうだっただろうか、、ということ。

恐らく立ち向かうことができず、運命を受け入れるしかないのだろうな、、

そして弱い人間性(性格の悪さ)が出てしまうのだろうなと思います。

そんな自分を戒めるために観るのかもしれないな。

人種で優劣を決めるなんて、恐ろしいことです。

でもどの人種も戦争をきっかけに迫害を受ける可能性があるのではないでしょうか。

 

すみません、重い話になってしまいました。

 

先日観た「関心領域」とは真逆な映画でした。

見て見ぬふりの無関心の恐ろしさ、こちらは自ら関わっていくことの尊さ。

いろいろな人間がいる。そして一握りの尊い人の存在に救われる。

 

ラストはニコラスに命を救われた人々が、彼を囲む展開になりますが

きっとニコラスの胸中には救えなかった沢山の命がずっと消えないのでしょうね。

そんな表情をアンソニー・ホプキンスが上手く演じていたように思います。