演劇界の申し子のような彼女の訃報 | Bitter Sweet Days Again!

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人生楽しく、備忘録

ふと真夜中に目が覚めて、スマホをつい見てしまう。

これ、本当に良くないのは分かってるんですけどね。

偶然、私と同じ年齢の方のブログに行きあたり、興味深く読み進めていました。

その方のある記事に目が留まりました。それは知人の訃報。

舞台関係に詳しい方なら、その名を目にされたことがあるかもしれません。

彼女の名前は 薛珠麗(せつしゅれい)さん。

昨年の7月30日にお亡くなりになっていました。

 

びっくりして、それから彼女のツイートをずっと遡って読み続け、朝を迎えました。

体調を崩しているのはうっすら聞いていたのですが、そんな深刻な状況になっていたとは知らず。

 

大昔の話になるのですが

「ソワレ」というミュージカル雑誌が創刊(現在は廃刊)した際、

創刊記念としてロンドンへミュージカル観劇特派記者の募集があり

なんの間違いか、私、選ばれてしまったのです。(一応作文を出した)

読者記者全部で5名。成田空港で初めましてと会った4人。

ひとりはライター、一人は音楽家、そしてただのOLの私。

残りの二人は大学生。そしてその大学生の一人が薛珠麗ちゃん(当時の呼び名ですみません)でした。

5人と編集者・カメラマンで渡英。ロンドンの真ん中のホテルに泊まらせてもらい

ミュージカル三昧という夢のような旅でした。

珠麗ちゃんはその時から、ミュージカルに関わる仕事がしたいと強く言ってて

本当にキラキラして生命力にあふれた女性でした。

 

しばらくして、イギリスの演出家、デヴィッド・ルヴォー氏の通訳を務めることを聞き

すごいなあ、さすがだなあと感心。それからどんどん演劇への道を切り拓いて行った彼女。

やりたいこと、自分のなりたい姿にストイックに努力し、近づいていく姿勢。

自分の力でかなえていく力強さ。

学んだことを後進に教えて行こうという気概。

本当に演劇界で生きることに満ち溢れた人でした。

私は遠巻きに見ているだけ。

彼女の名前をプログラムとかニュースで見かけると

本当に嬉しかったなあ。尊敬していました。

 

だからこそ、道半ばで病にねじ伏せられたことはとても悔しいでしょう。

なぜ彼女のような、才能に満ちた人が先に逝き、

意味なくのほほんと暮らしている私のような人間が生き永らえてるのか

不条理しか感じません。

 

「わたしは死なないように生きることじゃなくて、自分の命をどう使うかにもっと夢中になりたかったよ」

絶句・・・

珠麗ちゃん、いい仕事をしてきたね。

沢山の人が貴女を惜しんでる。貴女の人生にちょっぴり関われて私は光栄です。

また生まれ変わって大好きな演劇のお仕事ができるといいね。

 

ご冥福を心よりお祈りいたします。