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「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

『猫町』を読む 河崎早春×萩原朔美 

 

 俳優であり朗読家の河崎早春(さはる)さんによる

 

「猫町」の朗読。

 

<声>で聴くことで

 

眼前に「猫」が「猫町」が立ち上がってくる。

 

 

萩原朔美特別館長との軽妙なトーク。

 

この「猫町」、散文詩とも詩的短篇とも言っていない。

 

朔太郎「詩集」とタイトルをつけたのは

 

『月に吠える』だけ、との指摘。これは盲点でした。

 

 

画像は1935年 版画荘刊

 

画は川上澄生

 

装幀案は朔太郎で、この川上の画を大変気に入っていた、とか。

 

 

 

この原本を観られる展示が

 

『「猫町」を包む』展

 

前橋文学館 3階のオープンギャラリー

 

9月7日(日) 無料です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年7月の高崎兜太句会。再掲いたします。

兜太先生をはじめ、ずらりと席に着いていて、

まさにはじまるところ。

ええっ、時計を見ても15分前。


三句選&問題句を一句。

兼題は「麦秋」

最高点六点の句から合評をはじめる。

 
  饐えし飯洗いし母よ麦の秋

評:ある時代の、ある年代にことに感慨・共感がある句では。
  
  作者の母親への想いもしみじみ感じられる。

兜太評:なんでもないことを書いたフツーの句。
     
    なぜ点が入るか、わからない。
     
    「饐えし飯」、体験があるかどうか、

    やや情でとらえ過ぎ。と佳作に。


   
  筒抜けのだんべだんべや麦の秋


兜太:前句よりよい。実感がある。
    
   麦秋だから、「だんべだんべ」の声も聞こえてくる。
    
   入選句となる。


  
   緑夜ですどこぞに耳を落としたような


評:「どこぞに耳を落としたような」の表現、面白い。
   
   緑夜のなかのしずけさを感じる。

   
   逆によく聞えるのでは?という意見も。

兜太:いや、このままとる。で入選句。

これはわたしの句。



ちなみに佳作・入選・秀逸という評価。

今回、秀逸はなし。

他の入選句はこちら。

  縁(よすが)なる鳥類図鑑麦の秋

  
  麦秋や母という自縛を解かん


  担当医初夏のおかわりできません



兜太先生の全句講評があり、

次の兼題「星月夜」を決めて、句会終了。















 

 

 

 

 

 

句集『月球儀』、巻頭

あの萩原朔太郎の撮影した写真に句をそえています。

写真一葉に一句。

八葉八句、載せて。

 

 

 

 

 

 

朔太郎撮影写真「前橋郊外」

 

 

 

 

 

 

 

翼たためる馬かいまみし葡萄の木     

 

 

 

 

 

 

 

朔太郎の写真に句を書くという素晴らしい体験!

朔太郎の孫で前橋文学館特別館長の

 

萩原朔美氏の快諾をいただきました。

原版はすべて萩原朔太郎記念・前橋文学館所蔵。

同館の学芸員K氏のご協力によるもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前橋の敷島公園にある

フリッツ・アートセンター。


いまギャラリーでは「野村たかあき 絵本原画展」

 

芥川賞作家・絲山秋子さんの朗読会の催しなど、

さまざまなアートの発信、

 

そして選りすぐりの絵本。

私の句集&俳誌「月球儀」も置いていただいています。

 

 

フリッツ・アートセンターはこちらから

 http://theplace1985.com/

  
そのフリッツ・アートセンターの小見純一さんの紹介です。

 

 

 

 

 

 

句集『月球儀』

 

 

 

 

◆俳人にしてメゾソプラノ。

大好きな山本掌さんの

 

第四句集『月球儀』が発刊されました!

一句一句。

一語一語。

その想いの込められ方にただただ。

 

 

 

 

 

司修デザインの「月」

 



カバーを引けば現れる、

司 修さんの薄弱な暁月にもやられます。


非常に奇妙な現実執着者(しゅうじゃくしゃ)

奇妙に意地の悪い洞察者というか

どこかひねくれたと思えるほどに

その美意識が常識とは違っていると。

混沌をみとどけていこうとする作者である。
      ー 金子兜太


『句集 月球儀』山本 掌(DIPS. A)

装画 ; 伊豫田晃一

装丁 ; 司 修

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏椿きゃらきゃら笑う笑い猫       掌

 

 

 

 

 

 

◆夏椿・沙羅(しゃら)の花・姫沙羅・沙羅咲く・沙羅散る


ツバキ科の落葉高木。山地に自生する。


七月ごろ椿に似た五弁の白花をつける。


ヒメシャラをふくめてもいい。


夏の季語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンデーモーニング朗読会 

 

「海の詩」をテーマに7月20日 

 

前橋文学館ロビーで催され、無事終了。

 

 

あたたかいお客さま、

 

ロビーへ、言葉、声が流れて。

 

むろん広瀬川も聴いてくれてます♪

 

 

ロビーの天井が、これほど高かったとは。

 

文学館、開館からどれほど訪れたかわからないのに、

 

天井を見上げたことはなかった・・・(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サンデ-モーニング朗読会

 

明日、7月20日

 

朔太郎「死なない蛸」を朗読いたします♪

 

前橋文学館 1Fロビー 11時30分から

 

 

どうぞ、ふらっとお出かけください。

 

 

 

 

 

 

 

死なない蛸

 

或る水族館の水槽で、ひさしい間、飢ゑた蛸が飼はれてゐた。

地下の薄暗い岩の影で、青ざめた玻璃天井の光線が、いつも悲しげに漂つてゐた。
 だれも人人は、その薄暗い水槽を忘れてゐた。

もう久しい以前に、蛸は死んだと思はれてゐた。

そして腐つた海水だけが、埃つぽい日ざしの中で、

いつも硝子窓の槽にたまつてゐた。
 けれども動物は死ななかつた。蛸は岩影にかくれて居たのだ。

そして彼が目を覺した時、不幸な、忘れられた槽の中で、

幾日も幾日も、おそろしい飢饑を忍ばねばならなかつた。

どこにも餌食がなく、食物が全く盡きてしまつた時、

彼は自分の足をもいで食つた。

まづその一本を。それから次の一本を。

それから、最後に、それがすつかりおしまひになつた時、

今度は胴を裏がへして、内臟の一部を食ひはじめた。

少しづつ他の一部から一部へと。順順に。
 かくして蛸は、彼の身體全體を食ひつくしてしまつた。

外皮から、腦髓から、胃袋から。どこもかしこも、すべて殘る隈なく。完全に。
 或る朝、ふと番人がそこに來た時、水槽の中は空つぽになつてゐた。

曇つた埃つぽい硝子の中で、藍色の透き通つた(しほ)(みづ)と、

なよなよした海草とが動いてゐた。

そしてどこの岩の隅隅にも、もはや生物の姿は見えなかつた。

蛸は實際に、すつかり消滅してしまつたのである。
 けれども蛸は死ななかつた。

彼が消えてしまつた後ですらも、尚ほ且つ永遠にそこに生きてゐた。

古ぼけた、空つぽの、忘れられた水族館の槽の中で。

永遠に――おそらくは幾世紀の間を通じて――

或る物すごい缺乏と不滿をもつた、

人の目に見えない動物が生きて居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

百日紅(さるすべり・ひゃくじつこう)

いま、あちこちのお庭に咲いています♪

紅の濃淡、それに白や薄紫などもあって

色とりどり。

 

うちにあったのもこの画像のような紅。

 

 

 

 

 

 

 

二階の屋根まで届いている大木もあって、みごと。

 

路には花殻が散って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リサイタル「萩原朔太郎をうたう」

 

2016年7月17日、

 

もう9年前になるのですね。

 


そのブログです。


◆写真家・小松健一さんが東京から駆けつけて、

演奏会の<雰囲気がわかるよう>と

 

撮影してくださいました。深謝。

こちらに。


http://www.kenichikomatsu.com/2016/07/no938.html



『月に吠える』初版本(復刻)による詩の朗読
 

朗読




休憩の展示コーナー(ちょっと反射しています)

『月に吠える』『青猫』『定本 青猫』、

短冊と原稿を展示し、復刻版ですので

手にとって見ていただきました。

 

展示




Ⅱでは「萩原朔太郎をめぐって」

三好達治、山村暮鳥をとりあげて。

 

 木兎

 

 

 



萩原朔太郎『月に吠える』より
      猫             牧野由多可 曲
      旅上            團伊玖磨  曲
 雲雀料理           〃
  
萩原朔太郎『定本 青猫』より
       仏陀 あるいは世界の謎      石渡日出夫 曲
 風船乗りの夢           〃


      Ⅱ 朔太郎をめぐって

ピアノ独奏 ソナチネ     ラヴェル

     またある時は      三好達治 詩 中田喜直 曲

  たあんき ぽーんき   山村暮鳥 詩   〃
  木兎          三好達治 詩   〃
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寵童を殺めし信長鮎を食う       掌