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「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

平安時代、紫式部と同時代に宮廷で生きた赤染衛門、

 

その赤染衛門は 和歌の名手、

 

日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の書き手。

 

「史書」でなく、「物語」でなく、「歴史物語」を手掛ける。

 

 

この小説はあの道長と三条天皇、

 

それぞれの人物像、その確執が

 

あますところなく描かれる。

 

 

そのなかに藤式部も『源氏物語』の作者として登場、

 

<物語論>もかわされて。

 

 

その最後に眼と耳をわずらい余命いくばくかの三条帝の御製

 

 

心にも あらでうき世に長らへば

 

   恋しかるべき夜半の月かな

 

 

中宮妍子は「古今和歌集」から返歌

 

 天の河 雲の水脈にてはやければ

 

 光とどめず月ぞながるる

 

 

絶望、懊悩の天皇の和歌に、

 

いつかは必ず晴れると返したその切々とした、想いが突き刺さる・・・

 

 

 

 

◆本の紹介はこちら

 

紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻の作者である

 

朝児(あさこ 赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか?

 

 宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。

 

五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、

 

ひょんなことから三条天皇の中宮妍子(けんし)の女房として

 

再び宮仕えをすることになる。

 

 宮中では政権を掌握した藤原道長と、

 

あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。

 

道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、

 

二人の関係に調和をもたらす道だった。

 

しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。

 

 朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。

 

なぜ人は栄華を目指すのか。

 

いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。

 

そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。

 

悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。

 

その思いの中で朝児は筆を取る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 肋より不思議の国のアマリリス          掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

散歩をしていると、

パッと目に飛び込んでくる、アマリリス。

ちょっと暗めの赤がかさなりあって、

見て、見て、と言っています。

 

 

 

 

 

 

 








お庭に地植えもあり、

鉢植えもあり。

暗赤色、朱に白いすじが入った花、

八重で花がかさなりあって、とっても華やか♪





 

 

 

 



アマリリス(英語:Amaryllis)は、

ヒガンバナ科なんですね。

ヒッペアストルム属 Hippeastrum 、だそうです。

原種は中南米・西インド諸島からヨーロッパへ。

日本には江戸時代に入ってきた、とか。



◆地中に鱗茎を形成する多年草で初夏にユリに似た

六弁の大きい花を2 - 4個つける。

花の色は白・赤・薄紅・淡黄など。(ウキペディア)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朔日のブログの

 

ジャン・ルイ・バローと観世との催し、

 

ネットで発掘しました!?

 

 

「演劇作業の根拠」と題し、

 

青山の銕仙会で、1977年5月13日に催され、

 

中村雄一郎「至福の出会い・出来事」を

 

冊子「銕仙」に掲載された。

 

そのブログはこちら

 

ジャン=ルイ・バローと観世寿夫 - 新simmel20の日記 (hatenablog.com)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

能楽師・観世榮夫(1927年-2007年6月8日)

 

旅立たれたのは2007年6月8日。

 

能楽師・演出家・俳優として活躍された。

 

 

私が観た観世榮夫氏は「冥の会」の会だった。

 

「冥の会」は新劇や狂言・能の人々で結成され、

 

それらの舞台を観たのが最初。

 

観世寿夫・榮夫・銕之丞の三兄弟がいきいきと活躍して。

 

「メディア」「子午線の祀り」などなど。


能や狂言の<声>に瞠目したのもこうした公演から。

 



その後、「パルコの能ジャンクション」、

 

渡辺守章の演出による、

 

観世榮夫、野村万斎(と名乗る前の芸大生の野村武司)との「葵上」。

 



モーツアルトのオペラ「イドメネオ」藤原歌劇団

 

演出の観世榮夫にじかにお目にかかったのはこの時。


わたしは合唱で出演していたので

 

稽古場ではドキドキしながらその言葉を聞き、参加していた。


オペラ公演の楽日に

 

やっとの思いで楽屋にうかがいプログラムにサインを。



映画などでも思いがけないところに出演されていたり。


なにか一癖も二癖もあるような人物造詣がじつにみごと。



いまだにこれを観ていてよかったと思われるものがある。


1977年来日していたジャンルイ・バローと

 

観世寿夫、榮夫と銕之丞とが出演。


司会は渡辺守章。


それぞれの演技で能と芝居の違いあるいは同質のやり方などを

 

実際の身体・所作・演技で見せて対比したりする実験的な催しであった。

とりわけ印象深いのが「traville la mort・死への道程(直訳だと死への仕事)」。

これを<呼吸>で、<息>で表現した!?

バローが、寿夫が・・・。

銕仙会が会場であった。

 



わたしの友人が観世榮夫の弟子で、

 

榮夫演出の舞台(お寺の本堂)をつかい、能をベースにした新作を企画。

 

「地謡が弱いので」おそるおそる榮夫師にお願いし、即承諾されて出演。

 

観た、というより地を這ってくるような深い深い声にとりこまれて。


もうその舞台よりも観世榮夫の<声>ばかりを聞いていた!!

本堂という能舞台でない空間であったからよりいっそう。


直接身体に地響きのよう立ち上ってくる。


この凄みのあるこれが人の<声>であるのか!?


それからは能舞台にもゆくようになった。


数々の公演のほかに「幽の会」というご自分の会をもたれていた。

観世榮夫は<縄文杉>ではないか、と。

 

 

◆観世榮夫

観世流宗家の分家観世銕之丞(7代目)の二男で、

兄の寿夫、弟の静夫(8代目銕之丞)と“観世3兄弟”として知られる。

3歳で初舞台を踏み、6歳で初シテ。

観世流シテ方として育つが、

15代目喜多実に私淑して戦後の昭和24年、

喜多流名手後藤得三の芸養子となり、喜多流に入門。

28年兄らと華の会を結成。33年には能楽協会を退会。

新劇オペラの演出も手がけ、俳優としても活動。

45年兄の結成した冥の会にも参加、

「オイディプース王」「アガメムノーン」などに出演。

54年兄の死の直前の願いで能界に復帰し、

弟・8代目銕之丞とともに銕仙会の発展に力を注いだ。

平成3年より日本能楽会会員。

5年パリでポール・クローデルの新作能「女と影」を演じた。

14年伝統芸能の演奏家グループ・玄に参加。

能役者ながら小劇場の演劇にまで出演する希有な俳優として活躍し、

能楽と現代演劇の橋渡し役を担った。

演劇「子午線の祀り」「なよたけ」、

映画「砂の女」「鉄輪」「利休」「午後遺言状」など。

 
 
 
 

 





 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

露草、咲いています!

 

今日も泰山木を見ようと、行った公園、

 

その下に、たくさんの露草が!?

 

 

ああ、驚いた! 俳句では<秋>の季語なんです。

 

まだ梅雨に入らない、この頃なのに・・・

 

 

 

◆露草はツユクサ目ツユクサ科の植物で、

 

日本全国に分布。

 

朝に開花して昼すぎにはしぼんでしまう一年草。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泰山木わが濁流を堰きとめよ          掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

泰山木、公園で咲きほこっています!

下からだと葉陰にほの白い大輪の花が、

見え隠れして。

 

その花を「翳が凝ったような」と

 

描写されたのは皆川博子さんだったでしょうか。

 

そんな<白>。



うちの泰山木の花があったころ、

 

青磁の花瓶に一輪。

 

その一花を飾ると、

もう、部屋中に芳香が♪

 

 

 

 

 

 

 





◆タイサンボク(泰山木、大山木、学名:Magnolia grandiflora)

モクレン科の常緑高木 。 北米中南部原産。

花期は5~7月頃。葉の表面には光沢があり、

裏面は毛 が密生しており錆び色に見える。

日本では公園樹としてよく植栽される。

 

 

(画像はフリー画像からお借りしました)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼうぼうと虚無を喰みます麦の秋        掌

 

 

 

 

 

 

 

 

◆麦の秋・麦秋(むぎあき・ばくしゅう) 

 

 麦の取り入れどき。

 

 麦が一面に金色に実り、きらきらと輝くさまは、

 

 まさに黄熟の秋というのにふさわしい。

 

 

夏の季語