秋曇り惑いの午後は影を縫う 掌
高崎兜太句会 2014年10月を見つけました♪
◆俳人金子兜太95歳、
今日もお元気に登場。
先日10月11日(土)の「海程」東京例会でも
講評など絶好調なこと。
この日は兜太句がぶっちぎりの最高点!
(まったく点の入らないことも)。
この「海程」句会に参加して、この句をとりました♪
月に眠り紫苑に朝の眠り託す 兜太
兼題「梅雨」。
この季節に(!?)と思われる出でしょうが、
句を3ヶ月前に提出しているのでこんなことも。
ここ兜太句会では俳句は季節の詩ではないのかも(笑)。
兜太「今日は良い句が多いな。
この『梅雨』という兼題を出したのが良かったんだ」
自由句の問題作がこれ。
八月の影より影を手渡され
25人のメンバーで採った人3人、
問題作としたひと6人。
・雰囲気が好き。
・惹かれるが具体感がない。
・映像化しにくい。
・八月は6日・9日・15日など想いをこらす日が多く、
それらから「影」が思われる。
・ミステリアス。「影」から「影」を「手渡す」という言い方がいい。
兜太評
・八月は6日・9日・15日とあり、さらにお盆があって、
死者・たましいを思い起こさせる。
「影」をもっと具体的に。
10月の高崎兜太句会、13:45からスタート。
兜太先生はすでに席に着いて。
今回の兼題「渇水」、
6月に水不足が懸念されたときのなので、
すでに4ヶ月前になる・・・
高点句はこちら、
日の匂い軒にありけり水渇れて
評:地味な句。
「水渇れて」との配合で「日の匂い」「軒にありけり」がしみじみと。
兜太評:平均的にいい。無難な句。
草の花寂しきときは歩きけり
兜太評::落ち着いた句。平均的な句。
水涸るる火蛾の白蛾のさざなみ
問題句3人と選ひとり。
評:。感覚が鋭い。
「水涸るる」そして火蛾、白蛾が灯にあつまってくる、不安感。
「さざなみ」があわないのではないか。
兜太評:「さざなみ」のように灯に火蛾、白蛾が集まる。
上手くとらえた。技術的にできている。
兜太先生「句会で点数が入ったのが、いい句とはいえない」と持論あり。
今日の評価は点数で、この3句は70点。
80点の句はこちら。
渇水ですブルーベリーの月夜買う
渇水期弟この地に根を張って(添削あり)
梅雨の渇水母のいない授業参観
兜太先生の全句講評で終了。
「さざなみ」は山本掌の句。
皆川博子『風配図 WIND ROSE』2023年 河出書房新社刊
第34回 紫式部文学賞受賞の帯に
「12世紀バルト海、自らの道を求め少女は
交易商人を志す――
小説、詩歌、戯曲が溶け合い紡がれる、
皆川博子の新たな代表作」と、青の文字で。
そう、この作品は小説、でありながら
そこに詩歌、戯曲がなめらかに繋がり、
それがさらに人物をきわだたせてゆく。
このような小説に初めて出会った・・・
同時代に皆川作品を読めるこの至福。
そして皆川さん、現在ただいまこの続編『ジンタルス 風配図Ⅱ』を連載中。
<19世紀ウクライナの画家・詩人と
13世紀バルトの騎士の物語が交錯する>長篇、とか。
◆紫式部文学賞 プロフィール
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000771.000012754.html
◆皆川博子さん、受賞をこのように語られて
「十二世紀のバルト海交易、決闘裁判など、
二十一世紀の日本の読者におよそ馴染みのないことを書きました
この作に目をとめていただけたことが、まことに嬉しゅうございます。
私が生まれた昭和初期は、男尊女卑が当然とされていました。
敗戦のとき、私は十五歳でした。
突然、戦勝国から民主主義、男女同権を強制されたのですが、
その本質を理解している大人は周囲にほとんどおらず、
男性優位は続きました。
家長が絶対権力を持つ中で、自力で生きていこうとする十二世紀の少女たちに、
時代を超えて、共感していただけたのでしょか」
皆川博子『風配図』2023年 河出書房新社刊
第34回紫式部文学賞を受賞!
敬愛の作家の作品、このブログを再掲いたします♪
◆皆川博子『風配図 WIND ROSE』河出書房新社 2023年5月刊
<皆川博子 新たな代表作、誕生。>
目を射るこの帯文!
その小説は
「自らの道を求め交易商人を志した二人の少女の物語。」
その少女はヘルガ、義妹アグネ。
舞台はバルト海交易のゴットランド島。
漂着した難破船の積み荷をめぐる生存者と島民の
<決闘裁判>へ。
衝撃的な幕開きからドラマティックな物語、
それぞれの人間をくっきりと描き、ドラマを書く、
その筆致の精緻にしてなんと強靭なこと!
おりおり置かれる詩、
三橋鷹女「みんな夢雪割草がさいたのね」の句などが、
さらにこの小説を重層化、深化させてゆく。
もっとも驚愕したのが、<戯曲形式>が挿まれている!?こと。
じつに自然な流れで、
「」の会話よりいっそう、
その人物が、その場がくっきりと立ち上がる。
まさに<物語を読む喜びに満ちた傑作>!!
この美しい造本は、もう皆川作品には欠かせないおふたり。
装幀:柳川貴代
装画:伊豫田晃一
この題字「WIND ROSE」はリューベック大聖堂に
刻まれた文字を参考に描かれた、とのこと。
◆本の紹介はこちら
1160年5月、バルト海交易の要衝ゴットランド島。
流れ着いた難破船の積荷をめぐり、
生存者であるドイツ商人と島民の間で決闘裁判が行われることとなった。
重傷を負った商人の代闘に立ったのは、15歳の少女ヘルガ。
義妹アグネが見守る中、裁判の幕が開き、運命が動き出す――
ドイツ商人が北へ進出し、ロシア・ノヴゴロドでは政争が頻発するなど
動乱の時代を生きた人々を詩歌や戯曲形式も交えて紡ぐ、
小説の新たな可能性を拓く傑作長篇!
◆帯文
少年の日に夢見た「本物の文学」という幻に、今日、出逢ってしまいました。
パンドラの匣に残された最後の希望のような言葉の冒険。――穂村弘
記録に決して残らない「が、あったはず!」の歴史的瞬間。
虐げられし者たちが織り成す、魂の生存を賭けた「智」の連鎖。
時を超えて掘り出されるその昏き光彩、まさに圧巻! ――マライ・メントライン
帯を取った書影
第34回紫式部賞作品紹介、評、
受賞の言葉はこちら
紫式部文学賞 - 受賞作品 - 宇治市公式ホームページ (city.uji.kyoto.jp)