糸きれてあたりいちめん夏怒濤 掌
糸きれてあたりいちめん夏怒濤 掌
咽喉熱し真青切り裂く夏怒濤 掌
(のど)
◆夏の波・夏怒濤・卯波(うなみ)・卯月波(うづきなみ)
皐月波(さつきなみ)・五月波(さつきなみ)
卯波は陰暦四月(卯月)に海や川に立つ波をいい、
皐月波は陰暦五月に立つ波をいう。
夏の季語。
咽喉熱し驟雨は北をめざしけり 掌
(のど)
◆驟雨・夕立・ゆだち・よだち・白雨
驟雨は盛夏のにわか雨で、
短くさっと降りわたる。
局地的に降り、雷を伴うことある。
夏の季語。
「月球儀」は俳句を支柱とする山本掌の個人誌。
その5号のアーカイブです。
印刷・製本以外のこと
企画・原稿依頼(催促付き 笑)・編集・校正
書店に冊子を置く・発送)を
ひとりでやっています。
広告・スポンサーもありません。
「月球儀」5号の装画は司修さんの「光と影」より。
月球儀の題字は伊豫田晃一さんのオリジナル。
毎号特集を組み、
5号は<ドキュメンタリー映画>。
オペラ歌手・岡村喬生が「蝶々夫人」の
イタリアでの上演までの
苦闘を撮影した
「プチー二に挑む 岡村喬夫のオペラ人生」の
監督・飯塚俊男氏に原稿をいただく。
2012年6月22日、前橋文化会館に満員の観客を集め、
映画の上映と岡村喬夫氏によるコンサートが催された。
わたしはその司会。
貴重な体験となった。
ドキュメンタリー映画の「小川紳介と土本典昭」をとりあげ、
カメラマン大津幸四郎氏と飯塚俊男監督の
トーク・ライブを載せる。
小熊廣美さんの書き下ろし「書」による山本掌の俳句。
「北京春雷」(197センチ×50センチ)の軸はステージを飾り、
色紙はロビーに展示し、
コンサートに華をそえていただいたこと、
第三句集『漆黒の翼』上梓のおり
ジョイントの展覧会を催したこともなつかしい。
八日はや棚機津女の解かれて 掌
(たなばたつめ)
また七日が来る。
そっとため息をつく。
もう禊も湯浴みすませた。
時間(とき)をかけ手ずから織った
新しい衣装はそこに。
化粧の顔は華やぎ、
だが、
まだ、鏡のまえに座っている・・・
こんな逢瀬を繰返すようになったのはいつのことだったか。
待ちきれず、指折り数えた。
一年(ひととせ)に一度というのはなんの罪ゆえ。
あと三月・・・、
あと一日のなんと長かったことか。
なれど、逢っているひとときのなんという速さ。
いまお逢いしたというのに・・・
時刻(とき)は羽根が生えたように、
砂が零れ落ちるようになくなった。
一年(ひととせ)に一度、逢えることが堪らなかった。
どうしていつもお逢いすることができないか、と。
慕わしいあなた
恋しいあなた
ひととせ・・・それは永劫
夜ごと日ごと、劫火に焼かれる日日
いつのころからか
あなたの眼のなかに倦怠を、
それはわたくしも。
わたくしたちの眼のなかにあるもの
それを知ってしまった・・・
かささぎたちはこぞって橋を架けてくれる。
わたしたちは天のものたちからも
地のものたちからも
相愛の<恋人>としてのぞまれている。
どこからも祝福される<逢瀬>
すべての世界に公開される<逢瀬>
<逢瀬>の中の<逢瀬>
それがどういうことかおわかりになるかしら。
相手の眼のなかに懈怠をみても、
続けられる<逢瀬>
否、
続けねばならない<逢瀬>
業火に焼かれる日日。
毎年毎年、夜ごと日ごと、
一年(ひととせ)に一度、
逢うことが
堪らない。
また、
その日がくる。
八日はや棚機津女の解かれて 掌
(たなばたつめ)
毒の蜜のしたたり星祭 掌
(ポアゾン)
◆七夕・星祭(ほしまつり)・星迎え・星今宵・星合(ほしあい)
七夕竹・七夕流し・二星(にせい)・牽牛・彦星
織女(しょくじょ)・織姫・鵲(かささぎ)の橋・七夕紙
願いの糸・梶の葉・なすびの馬・たなばた馬
硯洗い・机洗い
旧暦七月七日。
中国の牽牛・織女の伝説と日本の
棚機(たなばた)つ女(め)の信仰が合流した習俗。
今日では陽暦七月七日や八月七日に
行うことが多い。
鵲は伝説で七夕の夜、
天の川に橋を渡すといわれている。
願いの糸は七夕竹に吊るした五色の糸で、
これに願いを託す。
梶の葉に歌をかいて星に手向ける風習がある。
七夕の前日には硯や机を洗い、
文筆の上達を願う。
秋の季語。