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「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金子兜太主宰「海程」でご一緒している

九堂夜想さん、

SNSにこの句を選句してくださいました。

 

 

 

 

 

 

 



九堂さんは俳句同人誌「LOTUS」編集人。

そしてジャズのサックス吹き。   


 山本掌句集『月球儀』 DiPS.A刊 2018.3


翼たためる馬かいまみし葡萄の木

花や花や美童にわかに零れだす

残る花ふっと臓器のゆらぐかな

はつあきや白昼鵺の鳴くという

秋あかつき韃靼の馬かなしめり

月熟れて死蠟の兄と睦むかな

冬麗の死海あふれて環(わ)となり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピアニストのT.Tさん、

<細密華麗な言葉のアラベスク>と題して、

句集『月球儀』の

丁重な紹介をしてくださいました。


高島登美枝さんは

バレエピアニスト・歌曲伴奏者、

浅草 台東区のピアノ教室《高島ピアノ塾》主宰されています。

さらに東京藝術大学で「音楽文芸」の

博士課程に在籍中の研究者。

ブログも日日、更新されています。
  https://ameblo.jp/nikiyabayaderka/theme-10099040597.html

こちらから、どうぞ。


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今日は句集のご紹介。



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仕事から帰宅したら、

小包が届いていました。



差出人は、山本掌さん。

群馬を拠点に活躍する

メゾ・ソプラノ歌手ですが、

女流俳人でもあります。



彼女のアメブロ↓

「月球儀」&「芭蕉座」 

俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

クリックhttps://ameblo.jp/bashouza/



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掌さんと私は、

mixiで知り合いました。

気が付けば

かれこれ十年位のお付き合い。



その後も、お互いほぼ同時期に、

mixiからFacebookへ移行して

アメブロもやってたり、

Twitterもやってたりと、

SNS上では

非常に濃いお付き合いなのですが、

リアルで会ったことはまだないのですあせる



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顔と顔を合わせてリアルでしゃべると、

照れたり、遠慮したりで

必ずしも心の底を

率直に語れるとは限りませんが、

SNSでの文字によるコミュニケーションでは、

そういう壁を越えやすいので、

ときにリアルに会っている以上の

心の近しさを感じることもあります。



私にとって彼女はそういう存在ラブラブ



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その彼女から、突然の小包。

これは…もしやわくわく






そう。

つい最近刊行された、

彼女の句集でした。



アメブロで拝見して、

表紙の絵がいかにも

彼女らしいと思っておりました。



とても嬉しいサプライズ・ギフトプレゼントキラキラ



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彼女の句は、

華やかさと鋭さが

独特なバランスの中で

同居しています。



五感、

特に皮膚感覚に訴える表現が

巧みなところは、

プルーストの『失われた時を求めて』の

紅茶とマドレーヌや

カトレアのエピソードに相通じるように

思います。



では、私の好きな句を

幾つかご紹介いたしましょう。



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忌日まで草の結界泳ぎゆく



句集『月球儀』の冒頭1章は、

萩原朔太郎へのオマージュ。



朔太郎の撮影した写真の横に

掌さんの句が添えられています。



掌さんのお住まいのある

群馬県前橋市は

詩人・萩原朔太郎の出身地。



掌さんの句の

ときにデカダンの香りただよう世界観には、

朔太郎の影響が

強く感じられます。



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抱きしめる猫に遅日のにおいかな



これは説明不要ですね。

愛猫家にはたまらない一句です。



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曼殊沙華幼(おさな)をたおりにゆくわいな



北原白秋の詩に山田耕筰が付曲した

歌曲集《AIYANの歌》の第4曲目、

〈曼珠沙華〉を下敷きにしていると思われます。



曼珠沙華は

秋の彼岸の頃に墓地によく咲くため、

血のような色と相まって

不吉なイメージのある花です。



白秋の詩では、

「赤い、御墓の曼珠沙華(ひがんばな)

けふも手折りに來たわいな」

と歌われ、

良家の娘が未婚で妊娠し、

堕胎した(させられた?)後、発狂、

曼珠沙華の咲き乱れる野を

亡き児を求めてさまよう姿が

描かれています。

※解釈は諸説あります



対するこの句では、

曼珠沙華が幼児を手折りにいく、

とあります。



曼珠沙華は、

球根を中心に全体に毒性があり、

堕胎に用いられたと言います。

それを考え合わせると、

この句が凄みを持って迫ってきます。



追記:

記事執筆後、この句について

掌さんからメッセージをいただきました。

この句は、「曼珠沙華」で一旦切れるそうです。

「曼珠沙華が咲いている、そのイメージと
『幼をたおりにゆくわいな』。
二つのことをぶつける、

そこからイメージ・映像が出てくるかと」

とのことです。

でも「自由に読んでいいんです」とも。

みなさまはどう読まれますか?


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さくらとて懶惰の夜を欲(ほ)るわいの



合歓の花影のもつるる音を聞く



こんなふうに

官能的な句もあります。

花と絡めた表現によって

華麗さが増幅されていますね。



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ほとばしりわが魂魄の寒牡丹



触れてみるこの寂寥の霜柱



研ぎ澄まされた魂から

ほとばしったような句もあります。

冬の寒気を織り込むことで、

内面の張り詰めたシャープさが

読む者の皮膚感覚からも迫ってきます。



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ここにご紹介した句の他、

おそらく掌さんが

父上、母上を見送った体験から

生まれたと思われる句も

いくつか含まれており、

命や、人生、生死について

思いを馳せる機会となりました。



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俳句はわずか十七音で、

季語を含まなければならないという

縛りが厳しい詩歌です。

ですから、

俳人の言葉に対するセンスは

ハンパないものがあります。



私には俳句を作る才能はなくて、

ひたすら読む側専門なのですが、

無駄を削ぎ落とし、

洗練された語句選びからは

大いに教えられることがあります。



言葉に対する感性を磨くためにも、

詩や短歌、俳句には

これからも積極的に

親しんでいきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白山山系実梅あふるる真昼          掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅青しまろまろと真昼こぼるる          掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青梅・梅の実・果梅(みうめ)・枝の梅・梅もぐ・梅熟す



梅の実は直径3センチほどの球形で、


梅雨のころに黄色く熟すが、


未熟の青いウメをいう。



夏の季語。



◆庭の梅、熟してきました♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェルディ作曲「ナブッコ」を

録画で観ました。

2017年ベローナ野外オペラ。

幕開きは広大な舞台に本物の馬や馬車、

多くの民衆が登場し、

野外オペラならではのスケール。


歌手では敵役ともいえるヒロインの

アビガイルレのスザンナ・ブランキーニ。

感情起伏の烈しさ、迫力のある声で熱唱。

フェネーナのニーノ・スルグラジェ。

タイトルロールのジョージ・ギャグニッザは、

声といい、インパクトがあまりない。



この「ナブッコ」では

 

第三幕はオペラハウスとなり、

あのあまりにも有名な「行けわが思いよ、金色の翼に乗って」は

ユーフラテス川のほとりで、ユダヤ人によって歌われる。

アンコールで再び歌われたほど。

そのアンコール,youtubeにアップされていました。こちら。
  https://www.youtube.com/watch?v=Ne74zXySmF8

 




◇アレーナ・ディ・ヴェローナ
野外オペラ・フェスティバル2017

 歌劇「ナブッコ」(全4幕)
           ヴェルディ 作曲

 

 

ナブッコ(バビロニア王):ジョージ・ギャグニッザ

アビガイルレ(ナブッコが奴隷に産ませた娘):スザンナ・ブランキーニ

フェネーナ(ナブッコの娘):ニーノ・スルグラジェ

イズマエーレ(エルサレム王の甥(おい)):ルーベンス・ペリッツァーリ

ザッカーリア(ヘブライの祭司):ラファウ・シヴェク ほか


<合 唱>ヴェローナ野外劇場合唱団

<管弦楽>ヴェローナ野外劇場管弦楽団

<指 揮>ダニエル・オーレン

<演 出>アルノー・ベルナール

 収録:2017年8月23・26日 ヴェローナ野外劇場(イタリア)


(画像は公式サイトより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オペラ「死の家から」ヤナーチェク作曲を録画で観ました。

ドフトエフスキー『死の家の記録』から

台本もヤナーチェクが手懸けています。

オペラに作曲したヤナーチェク第9番目、最後の作品。

今回はじめて観る作品。


殺人犯が収容される獄、

そこに政治犯アレクサンドル・ペトロヴィチが送られてくる。

劇的なストーリーというより、

そのなぜ殺人を犯すことになったか、

一人ひとりの<人間>を抉るように描き出す。

ズボン役の少年・アリイェイヤが唯一の女声(メゾソプラノ)。

合唱の一人ひとりまで存在感が凄い。


城の中に舞台があり、

モノトーンの獄・美術、

その衣装、がぴたりとはまって。

時間は1時間半と短いが、濃厚な密度。

 

 

 

<出 演>
アレクサンドル・ペトロヴィチ・ゴリャンチコフ(政治犯):ヴィッレ・ルサネン


アリイェイヤ(タタール人の少年囚):ハンナ・ランタラ


ルカ・クズミチ(本名フィルカ・モロゾフ):ミカ・ポホヨネン   ほか


 
<合 唱>サボンリンナ音楽祭合唱団


<管弦楽>サボンリンナ音楽祭管弦楽団


<指 揮>トマーシュ・ハヌス


<演 出>デーヴィッド・パウントニー



収録:2016年7月26・28日 オラヴィ城中庭 特設会場(フィンランド)

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きりぎしは夜に触れしか花柘榴         掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孤悲知らぬヨハネの首や花柘榴         掌

 

(こひ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

室町の御伽草子や花柘榴          掌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆花柘榴・柘榴の花・柘榴咲く

 


ザクロ科の落葉小高木、地中海沿岸原産。


6、7月ごろ、鮮紅色の六弁花を開く。


がくは多肉、筒状である。


八重咲や白、黄色、紅白の絞りなどもある。



夏の季語。

 

 

◆庭の柘榴、


今年は5月中旬には咲き始め、


いま花盛り♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノイエス朝日のお便り「ノイエスだより」に

句集『月球儀』が紹介されています。

ノイエス朝日では展覧会が

常時開催され、ここで各ジャンルの作家と

歓談できるサロンになっています。



  句集 月球儀   山本 掌

              定価 本体二五〇〇円(税別)


前橋生まれ。

0オペラ、フランス歌曲の演奏活動もしている

山本掌さんの第四句集。

萩原朔太郎の撮影写真に句を書くという

新しい試みに挑戦。

声楽においても萩原朔太郎の詩による歌曲に取り組み、

リサイタルを開いている。

俳句の師である金子兜太からも激励された句集。




「ノイエスだより」Web版はこちら
  http://www.neues-asahi.jp/neues_test/wp-content/uploads/2018/04/vol56.pdf