金子兜太主宰「海程」から「海原」へ。
この3月で6号となりました。
その誌面に「共鳴20句」という欄があり、
さらにその20句から<3句>を鑑賞。
竹内一犀さんの選で鑑賞を書いていただきました。
その句がこちら
火蛇(かだ)に触れあかつきは朱夏のたましい 掌
「火蛇」の連作のひとつですが、
このような句はまずとられないと思っていたので、
びっくり(笑)。
萩原朔太郎『月に吠える』
1917年発行。
このとき朔太郎31歳。
その詩集の<月に吠える>犬、
あるいは犬の影、を書いた詩、
「見知らぬ犬」、「悲しい月夜」を朗読いたします。
見知らぬ犬
萩原朔太郎
この見もしらぬ犬がわたしのあとをついてくる、
みすぼらしい、後足でびっこをひいてゐる不具(かたわ)の
犬のかげだ。
ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
わたしのゆく道路の方角では、
長屋の屋根がべらべらと風にふかれてゐる、
道ばたの陰気な空地では、
ひからびた草の葉つぱがしなしなと
ほそくうごいて居る。
ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
おほきないきもののやうな月が、
ぼんやりと行手に浮んでゐる。
そうして背後(うしろ)のさびしい往来では、
犬のほそながい尻尾の先が
地べたの上をひきづつて居る。
ああ、どこまでも、どこまでも、
この見もしらぬ犬がわたしのあとをついてくる、
きたならしい地べたを這いまはつて、
わたしの背後(うしろ)で後足をひきづつている
病気の犬だ、
とほく、ながく、かなしげにおびえながら、
さびしい空の月に向つて遠白く吠える
ふしあわせの犬のかげだ。
月蝕王国紅梅の枝のびやすき 掌
梅咲けり暗き蜜の巣まなかいに 掌
◆梅・野梅・白梅・紅梅・薄紅梅・豊後梅
臥竜梅(がりゅうばい)・枝垂梅(しだれうめ)
梅が香・老梅・梅林・盆梅・梅見・観梅
バラ科。中国原産。
梅の開花日の平均値は、
鹿児島では1月23日、
東京では2月2日、
札幌では5月6日。
春の季語。
◆庭の白梅がやっと咲きました!
昨日今日のあたたかさで開花したようです。