若森京子 句集『藍の晩年』ふらんす堂 2026
若森京子さんの第八句集をご恵与いただきました。
若森さんは「海程」の先輩。
あでやかなお着物姿、その佇まいが印象的な方。
安西篤さんの帯が麗しいこと。
晩年は兎あつまる野が住所
長い人生を経て、晩年は、
兎の集まる野を住所にして暮らそう。
生きもの感覚そのままに。
ちょっと小ぶりの四六変形版で、
題字は金の箔押し、
義妹の小田原翠浦さんの書。
「藍」の諧調が美しい表紙・帯・カバー。
◆自選十句
老々介護縄文の土器愛でる如
忘れるうれしさ野菊の道は濡れている
身罷れるまでは反戦葱きざむ
寿命という軽いのりもの百千鳥
ハグすればいやに粘液質 さくら
露草や涙もろくて藍の晩年
熟柿吸う述懐という柔い力
絽にも紗にも添えぬ軀をかなしめり
弥生野に産み落とされて米寿かな
晩年は兎あつまる野が住所
