歌舞伎・演劇評論家 渡辺 保(1936‐2026)さん、
この9月に旅立たれた。合掌。
渡辺 保『娘道成寺』駸々堂出版 1992年
この著で<渡辺保>という劇評家を知り、
歌舞伎への見方を教えていただいた、と思う。
江戸時代の名女形、その舞台を<ことば>で
まさに眼前に観ているかのように立ち上がらせる⁉
その筆力、
そのリアリティに驚嘆、
圧倒されて、つぎつぎに著作を拝読いたしました。
歌舞伎座でお姿を何度もお見かけしたことも、懐かしい。
「渡辺保の歌舞伎劇評」のサイトはもう必見でした・・・
◆『娘道成寺』の紹介
これは「娘道成寺」という最適の素材を得て
羽ばたくことができた著者の歌舞伎役者論であり、
同時に、最終章「虚の構造と思想」が示すように、
日本演劇の本質と構造論ともなっている本である。
第38回読売文学賞受賞。
目次
幻の『花晨鐘』
娘道成寺の開発―初代瀬川菊之丞
京鹿子娘道成寺―初代中村富十郎
元禄歌舞伎の終焉―嵐和歌野と中村助五郎
瀬川家の天才―2代目瀬川菊之丞
猿の振袖―9代目市村羽左衛門
烏山の桜―初代中村仲蔵
もう1つの嫉妬―初代尾上松助
瀬川家と中村家の合併―3代目瀬川菊之丞
新しい女形の家―4代・5代目の岩井半四郎
芳沢家と中村家の末裔たち―初代芳沢いろはと2代目中村のしほ
2人の女形の死―2代目沢村田之助と初代市川団之助
娘道成寺―虚の構造と思想
