<林芙美子>がいまここに! 桐野夏生『ナニカアル』新潮社 2010 桐野夏生『ナニカアル』新潮社 2010 <林芙美子>この強烈な作家に肉薄した 評伝の形をした小説。 林芙美子自身が秘密裡に書いた小説という体裁で、 昭和17、8年南方の戦地を駆け回り、 愛をかわす、 その修羅場は壮絶、凄まじい・・・ まさに血まみれの戦場となる。 いままさにここに芙美子が息づく。 ここまで人間の臓物すらも抉り出す桐野の作品。 一読してほしい。 装画写真:yosikazu arisaka 装丁:新潮社装幀室