圧巻! 桐野夏生『柔らかな頬』文春文庫 2004 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

 

桐野夏生『柔らかな頬』文春文庫 2004

 

圧巻!

 

その壮絶、その真摯、その容赦なさ、

 

ひとの、人間性の極限までえぐりだすその筆致。

 

こんなにも痛いのにページをめくる手は止まらない。

 

1999年の直木賞作品。

 

 

◆本の紹介はこちら

 

私は子供を捨ててもいいと思ったことがある。
5歳の娘が失踪した。夫も愛人も私を救えない。
絶望すら求める地獄をどう生き抜くか。

「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。姦通。
誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。

4年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。
34歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。

 

装画:水口理恵子

装丁:大久保明子