桐野夏生『柔らかな頬』文春文庫 2004
圧巻!
その壮絶、その真摯、その容赦なさ、
ひとの、人間性の極限までえぐりだすその筆致。
こんなにも痛いのにページをめくる手は止まらない。
1999年の直木賞作品。
◆本の紹介はこちら
私は子供を捨ててもいいと思ったことがある。
5歳の娘が失踪した。夫も愛人も私を救えない。
絶望すら求める地獄をどう生き抜くか。
「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。姦通。
誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。
4年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。
34歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。
装画:水口理恵子
装丁:大久保明子
