書が叫ぶ! 井上有一「東京大空襲」 @群馬立近代美術館 展示室7 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

 

井上有一「東京大空襲」 群馬県立近代美術館 展示室7

 

 

墨が、書が、叫ぶ!

 

薄闇の展示室にずらりと並ぶ書に圧倒される。

 

その<圧>に、たじろぐ。

 

書かれた詩は同じ詩。七言絶句。

 

 

猛火狂奔襲難民

 

親庇愛児児縋親

 

米機殺戮十萬人

 

江東一夜化地獄

 

 

 落款は、

 

右昭和二十年三月十日東京大空襲 

 

余前夜本所区横川国民学校宿直 終生不可忘 井上有一録之

 

「終生、否死すとも」とも。

 

 

文字が紙を凌駕し、

 

筆が猛り狂い、

 

その阿鼻叫喚が、炎が、

 

突き刺さってくる。

 

 

 1978年、四半世紀たって、井上はやっと筆がとれた、という。

 

                  40日間で約500枚を書き、

 

そこから選び出された33点のうち30点が今回、展示されて。

 

 

8月31日(日)まで