藤沢周『言葉である。人間である。』言視舎 2020
『言葉である。人間である。』
このタイトルのインパクトのあること!
帯もまた「善悪正邪混沌 だから面白い」と。
作家・藤沢周による<読書術極意>。
「書物」という豊穣の海への水先案内人が
「これは!」ととりあげる3冊、
ジャンルは、新刊から古典まで多様。
もうもう、これは読んだ、この本は読みたいと思う書がずらり。
2013年から2019年まで東京新聞で掲載。
限られたなかで字数のなかで、
その本の深奥までずずっと錨をおろす。
その月の作者の近況、社会・時代できごとも一行そえられて。
人名の索引があるのもうれしい。
◆Amazonでの紹介はこちら
芥川賞作家による渾身の読書案内 作家・藤沢周は選書・書評の達人である!
2013年から2019年まで、
時代と社会の様々な動きの中で社会の深層に測鉛を下ろし、書物を厳選。
ジャンルは多岐にわたり、現代においても重要なヒントとなる古典も取り上げる。
書物の心拍に耳を澄まし、その沸点の高低に狂喜乱舞する。
《新自由主義という、はしたなき競争と経済効率優先の思考にとっては、
人間本 来が持っている、言葉によって思考し、想像し、共生し、
創り上げていくという知性が、
邪魔以外の何ものでもない。
…世に瀰漫する数式化、確率化できるかのようなロゴス(論理)からはみ出た、
豊饒なる言葉こそが、文学であり、人間の言葉なのである。》(「まえがき」より)