朝吹登水子『豊かに生きる』世界文化社 2002年
加藤周一氏は朝吹登水子(あさぶきとみこ)さんを
「二つの文化を生きた人。
日本とフランス、日本語とフランス語」と書く。
作家であり、ボーヴォワール、サガン等の翻訳家の
ペンの先からしたたるゆたかで香りたつエッセイ。
朝吹登水子さんを一度ですが、お見かけした。
1966年、サルトルとボーヴォワールが来日し、
あるシンポジウムで
サルトル、ボーヴォワールが登壇され、
サルトル氏がとうとうと論じ、
それをある学者が通訳をしていたのですが、
「わからなくなった」、と途中で言葉が出なくなって・・・
会場にいた方が、ステージに歩みより
「あの、わたくしが通訳いたしましょうか?」と。
その方が、朝吹登水子さん。
エレガントで、知的で、風格があるたたずまい。
まさにグランダームGrande Dame(大奥様)!
◆目次
第1章 生きることの喜び
豊かに生きるとは
サルトルとボーヴォワールと一緒に過ごした日本旅行
第2章 豊かに生きるその日、その日
レジオン・ドノール勲章
オート・クチュールの学校
香り ほか
第3章 人生の四季
一目惚れの友情
チャリティーコンサート
鎌倉にて ほか