ものがたりの原点♪ 北村薫「語り女たち」新潮社 2004年 | 「月球儀」&「芭蕉座」  俳句を書くメゾソプラノ山本 掌のブログ

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第四句集『月球儀』
「月球儀」俳句を支柱とした山本 掌の個人誌。

「芭蕉座」は芭蕉「おくのほそ道」を舞台作品とする
うた・語り・作曲・ピアノのユニット。
    



俳句を金子兜太に師事。「海程」同人・現代俳句協会会員。

 

 

 

 

北村薫「語り女たち」新潮社 2004年

 

 

ひさびさに読み返して、ほっこりしています。

 

北村さんの広範囲でもうもう膨大な読書から、

 

ゆったりとあたたかな眼差しから

 

紡がれる17の短編。

 

その読後の爽やかさ。

 

一編ごとに挿まれる謡口早苗さんの画が

 

雰囲気のあって、幻想的。

 

女声の朗読で聴いてみたいな、と思ったりして。

 

 

装画:謡口早苗

 

装幀:新潮社装幀室

 

 

 

◆本の紹介はこちら

 

海辺の街に小部屋を借りて、

潮騒の響く窓辺に寝椅子を引き寄せ横になり、

訪れた女の話を聞く

 

――さまざまな女が男に自分の体験を語り始める。

緑の虫を飲みこんだという女、

不眠症の画家の展覧会での出来事、

詩集で結ばれた熱い恋心、

「ラスク様」がいた教室の風景。

水虎の一族との恋愛

 

……微熱をはらんだその声に聴きいるうちに、

からだごと異空間へ運ばれてしまう、

色とりどりの17話