朝井まかて『秘密の花園』日本経済新聞出版 2024年刊
「秘密の花園」このタイトルをみると
なにやらかつての少女小説のようですが、
狷介といわれる<滝沢馬琴>が立ち上がって。
武家に生まれるもままならない少年・青年期、
山東京伝の弟子となったり、
現在の大河ドラマ「べらぼう」の蔦屋重三郎の手代として働き、
戯作を書き始める。
喧嘩友達の北斎と友好、
江戸有数の戯作者となって
大長編『南総里見八犬伝』を
版元とのさまざまなトラブルをのりこえて、ついに書き上げる。
入り婿した妻はヒステリー、
病弱で先立たれた息子とささやかな庭で
草花を丹精する。
【目次】
第一章 ある立春
第二章 神の旅
第三章 戯作者
第四章 八本の矢
第五章 筆一本
第六章 天衣無縫
第七章 百年の後
装画:卯月みゆき
装幀:アルビオレ